03 アジア疾走編

ゴーウェスト!!

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李さんが「ちょっと待ってて」と言い残し、車に飛び乗り走り去った。

10分もせずに戻ってきた李さんの手には大きな一枚の紙が握られている。李さんが

「これを使ってくれ!」

と手に持っていた紙を差し出す、どうやら地図のようだ。地図って言っても、一枚の紙に中国全土が入っていて、右には日本と韓国まで入ってしまっている。そして隅に小さく「六百万分之一」と漢字で書いてある。

「六百万分の一って・・・・」

地図には地方の都市の名前が書いてあるだけで道は書いてない。しかしせっかくの李さんの好意だ中国の「形と都市」の名前が分かるだけでありがたい。李さんが地図の一点、「青島(チンタオ)」を差し、西の方向に指を進めながら

「ゴーウエスト!(西に行け)」

と英語で言う。

李さんの言う通り、地図をよく見ると現在地のチンタオは突き出た半島にあり、南下することはできない。

しかし・・・こんなでかい地図で「ゴーウエスト」って言われても・・・・わかんねぇ!

というのが正直なところだ。「でも行くかない、それしかない」そう自分に言い聞かせ、自転車の荷台に落ちてた紐を使って荷物をくくりつける。それから東京の100円ショップで買ったコンパスを取り出し

「いや~これを本気で使うとはね」

言いながら蓋を開く。コンパスの針がユラユラと揺れて赤い指針が北を指す。

「ゴーウエストね」

とコンパスの示す「西」に視線を向けた。リーさんとユンさんにお礼を伝える。ユンさんはまだ出会って間もないのに泣きそうな顔をしている。「大丈夫ですよ!何とかなります!」と私の方がユンさんを励ました。そう考えないと行ける分けがない。

紙一枚に中国がすっぽり入ってしまう地図と100円ショップのコンパス・・・こんなんで中国を南下できるか??自分でもあきれるくらいいい加減だ。

しかし、帰る道はない・・・とりあえず西に向かっている大きな道を走り始めた。行くぜ!まずは「ゴーウエスト!」だ。

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