03 アジア疾走編

ムアー

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薄暗くなって「野宿する所をさがさねば・・・」という時に、ナイスタイミングで工事中のガソリンスタンドを発見。

「ここしかない」と自転車を乗り着けほぼ真っ暗の中、自転車から荷物を下す。

するとどこからやって来たのか暗闇の中から一人の男が現れた。無人の場所かと思ったので少し驚いたのだが、いつものように「ここで寝てもいいか?」とゼスチャーで伝える。

暗くてよく見えないが男はだいぶ若いようだ、「それなら、こっちの方がいいぞ」と相手も身振り手振りで隣の建物の中に案内してくれる。屋根があればそれだけでありがたい。

「それでは・・・」

と荷物を移動していると、更に「こっちでもいいよ」とその工事中の建物の裏にある民家みたいな所へ。

結局その建物の中で寝させてもらえることになった。

そこは工事をする人達が生活している建物だった。工事の為に最初に立てた棟に住んでいるのだコンクリートがむき出したの素っ気無い建物だ。

電気に明かりの下に来ると、彼らは皆10代から20代前半に見える、若い。彼らがこの一連の工事を請け負っているのだろうか。日本では考えられない、少なくとも現場監督と言う棟梁のような熟年者がいるはずなのだ。しかしここには若者しかいない。

若者の中でもゾンと名のる若者は私に興味があるらしく、一生懸命話かけてきてくれる。私はベトナム語が分からないし、ゾンは英語が得意ではないようだ。それでも「日本はああだ、こうだ」と単語をつなぎ合わせて話をした。

そんなゾン達と話しをしているうちにすっかり夜は更けていった。

早朝、既に起きていたゾンが私に向かって

「ケイ、ノーハノイ、ムアー」

と暗雲が覆う空を指さして言っている。

「ムアー??ってなんだ?雨?」

とやり取りをしている間に、ポツポツと雨が降り出した。「あっ、雨か」と 空を見上げる。雨粒が見る見る大きくなり、激しい雨に変わった。日本で言う夕立の様な強い勢いの雨が朝から降り出した。

「これがムアーか・・・」滝のような雨を見ながら「ムアー」という単語の意味が分かった気がした。

夕立やスコールの類なら一時間もすれば、すっかり上がってしまうとだろうが、ムアーは2時間待っても雨脚が弱まらない。

「ムアー」って台風のことか??」降り止まない強い雨を見てそうも考えたりした。

「ハノイまで60kmくらいなのに・・・」

ハノイを目前にしてどうしてもハノイに到着したいという気持ちが強くなる。止まない雨を軒下で眺めながら「行くか」と雨の中を進む決心をした。降り始めに比べればいくらか雨足も弱まった。 自転車に荷物を積み、雨合羽を身に着けているとゾンが 「この雨の中を行くのか??」

と驚いた表情を浮かべた。以前4日間雨が降り止まない日もあった、それに比べればここは暖かいし条件は良い。それに雨の峠は越えたようだ、行くなら今がよいだろう。

軒下で見送ってくれるゾン達にお礼を言いハノイに向けて出発した。

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