墓で寝る

マドライの町を出発し、さらに南に向かう。

マドゥライで有名なゴープラム
【写真】マドゥライで有名なゴープラム

小さな村に差し掛かり日が暮れた、村を抜けるとすっかり辺りは暗くなり、街灯もない。村を抜けて少し進んだところに空き地を見つけた。

道路沿いにぽっかりと開いた空間で、寝るにはもってこいのところだ。早速、奥に入り、テントを建る。テントと言っても内側の網の部分だけを使い、蚊帳の代わりにするのだ。

ここまでへとへとになっていたのでテントにもぐりこむ。

大抵インドでテントを張ると、どこからともなく人が来て

どうしてこんなところで寝てるのか?」とか

「ハロー」

と話掛けられたりするのだが、ここは人っ子一人来ない、辺りは静寂に包まれている。

こりゃいい場所だ」などと思いながら眠りについた。

翌朝、明るくなったので目が覚め、テントから出る。

南インドは日中は恐ろしい暑さだが、早朝は空気が涼々として気持ちがいい。

体を伸ばしながら、深呼吸をする。ふとテントの横に盛られた土があることに気が付いた。

あれなんだろう?

長細い形に砂が盛られている、ちょうど人間の身長くらいだ。

もしかして・・

とあたりを見渡すと、同じような土を盛ったものが幾つもある。

辺りをよく見ると人型に土が盛られている
【写真】辺りをよく見ると人型に土が盛られている

更に、よく見ると、山に棒が立てられていて、その側には何かを燃やし、儀式をしたような形跡がある。

そうなのだ「墓」なのだ。お墓というと、墓石立ててしっかりしたものを想像するが、この辺りでは土を掘って土葬するだけなのだ。

ひいぃ!

と思ったがもう遅い。寝る前に知っていたら、この場所に近寄らなかっただろうに。

自分のテントのすぐ下に仏様が眠っていたかもしれない、そう思うと背筋が寒くなった。

どうりで誰も近づいてこなかったわけだ。

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