10カスピ海横断編

ダルヤ、カタルノック!!

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今日は練習兼ねて船で港を出てみようと言うことになった。

船を手に入れてしまったし、海が荒れているといっても行ける程度なら出航したいのだ。とりあえず全員ライフジャケットを着込み、波が静かだという早朝をねらって船を漕ぎ出した。

湾の中は見た目に波がないように見えるが、川に比べると水面が荒い。水面が荒いということは手漕ぎボートにとってはつらく、湾を出るまでに相当な時間がかかる。

やっと湾を出るといところから波が荒くなり始める。周りの防波堤にぶつかる波は白いしぶきを立てている。あの波に防波堤際まで押し付けられて、そこでたたきつけられたらこんな船は木っ端微塵で一巻の終わりだ。オールを握る手に力が入る、慎重に波に船を立てて防波堤から離れる。

完全に湾を抜けると更に大きな波が次々に押し寄せてくる。ここで波は崩れないのだが大きな波が船の下を通過していく。波の谷間で船が沈み込み、波の頂点で船が持ち上がる。大きいものになると落差は3mくらいはあり、水の壁が迫ってくる、恐怖だ。

よく遊園地にある「バイキング」という船が前後に揺れる乗り物を思い出した。

一台のモーターボートが荒波の中船に近づいて来て、おじさんが

「ダルヤ、カタルノック!(海は危ない!)湾にもどれ!」

と大声で怒鳴っている。その通り、確かにこの波の中を進んでいける気はしない。はっきりいって無理である。行けるかもしれないが、船がいつ転覆するかも分からず、最悪生命の危険があるだろう。

船を漕いでいるとガンジス川を下った時の感覚が甦ってきた。水の上の不自由さ、船のもろさ。とにかく今日は一旦引き返してもうちょっと考えなおさなければならないようだ。間違いなく今の環境と状態では進むことはできない。

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