10カスピ海横断編

荒れる海と小さな村

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満月に近い月が雲の無い空に浮いている、その月を蚊帳越しに眺めている。

無風にもかかわらず海は荒れていて波の音が絶えず聞こえる、今日の出港は無理そうだ。

こんな日に出て行っても波に船がひっくり返されるだけだろし、波が高いと出港すらできないのだ。

日の出前に起きる日が続いての今日は少しゆっくりしよう。

日が昇って少し経つと暑くて眠るどころではないので日陰を探して移動し、再び横になる。この時点で蚊の心配はいらないので、日陰ならどこでも移動できる。

しかし日が更に昇ってくるとやがてそこも日が差すようになる。もう一度移動、建物の横にぴたりとついて寝る。これなら太陽が真上に来るまでは大丈夫だ。

サラムシャハルはカスピ海沿いの小さな町で、海岸から街の中心まで50mもない。

浜をあがればそこはすぐ商店街になっている。商店街と言っても小さな食品屋、衣料の店など必要最低限の店しかなく、5分も歩けば町から出てしまうそんな小さな町だった。

荒波から回避してきた私達はこの町の浜にテントを張り海が落ち着くのを待っている。
こんな日はすることが何も無いのだが、今まで船上では出来なかった荷物の整理、それからズボンの穴があいたところや、ほつれたところを修繕しする。

そんなことをしていたらもう午後だ。波は弱まる気配がなく、このままでは今日はここから動けなそうである。

3時頃町へ、牛乳とスープの素を買い、玉ねぎを刻んで煮込む、ところがスープだと思ったのはイラン版オートミール?で大きな団子状のものがゴロゴロした得体の知れないものが出来上がってしまった。

もうここまで来たら何でもいいやとなり、数日前からの残りの硬くなったナンも入れた。

出来上がったのは人間が食べられるものだろうかと疑問を抱いてしまうような見てくれだったのだが、食べ物しか入れてないから食べられるはずと口に運んだ。

「うぐっ」

お世辞にもおいしいとは言えないものだ。けい君と山さんは手を出さなかったが、もったいないということでタトゥと宮君と私で何とか平らげた。

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