ベンチで一休みしてパンをかじる。
パンにマーガリンとペーストとそしてマヨネーズをつけて食べた。
時計に目をやるともう3時だ。まだまだ上り坂が続いている。海沿いで平坦な道が続くかと思ったら大違いで、激しいアップとダウンの繰り返しばかりだ。
上り坂を昇りきると時々息を呑むような真っ青な海が見えた。
大きな分岐を過ぎてから少し道が平らになった、前方にガソリンスタンド?と思う様な青い屋根が見えた。近づくとその屋根は道路上まで来ている変だ。
「もしかしてイミグレーション?」
その通りクロアチアとボスニアの国境だった。
パスポートを見せたらそれだけで
「行っていいよ」
と係りの人に言われる。スタンプも押してくれないので
「えっ、スタンプは?」
と尋ねると。ノロノロとスタンプを取り出して日付けを合わせている。日付を合わせているところを見ると
「今日初使用なのか?」
「ガチャリ」
と無事にスタンプを押してもらう。進むとまた係りの人に呼び止められた
「あっ、カスタムか?」
と戻ると、そこがボスニア側のイミグレだった。
プレハブの小さい建物と呼べないような小屋だ「ここがボスニア側か!」と驚きながらパスポートを出すと、ページをペラペラめくっただけでまたスタンプを押してくれない。
「あれスタンプは?」
と聞くとやはりスタンプの日付を合わせ始めている、こっちも初使用か。この国境でスタンプを押す人は皆無らしい。係りの人に
「どこに行くのか?アルバニア、マケドニアも通ったのか?」
とか聞かれた、説明するの面倒だったのでモンテネグロの新聞を見せた。係りの人は
「おおっ、フムフム」
と読み始め、しばらくして顔を上げ
「ちょっと手品を見せてくれ!」
と言う。新聞を長々読んで「それか!」と突っ込みたくなったが、私も急いでいるわけではないので少しやってみると。
何だかやたらに受けて「おーい!」と同僚を呼び始めた。
呼ばれた同僚達は持ち場を離れてこちらに集まる。
「大丈夫なのこの国境は?」
それどころか先ほどの係員はクロアチア側にまで行き、人を集めている、結局クロアチアの職員まで来て手品を見せることになった。
「ここ、県境でなくて国境だよな」
職員がいなくなったゲートを車がバンバン通り抜けて行く、なんていい加減な国境だ。
この国境はボスニアとクロアチアの飛び地にある。
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野宿は危険
メジュゴリエ
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