13 ヨーロッパ周遊編

本格的貧乏旅行者

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グエル公園で手品をしていると日本人が通りかかり、手品がひと段落ついたところで、話しかけてきた。彼は自分を「ユウ」と名乗った。

どうして私に話しかけてきたのかは、話してすぐに分かった。

「グエル公園で芸をしている日本人がいる」

とホステルで聞いたというのだ。ユウ君はそのホステルで管理人業をしているらしい。なぜならお金が無いからだという。

大抵「お金がない」という旅行者でも、クレジットカードを持っていたり、いざって言う時の現金を持っていたりするものだけど、ユウ君は本当にお金が無いという。

「でも実はあるんじゃないの?」

と私が聞くと

「本当にないんですよ、だからここに来たんですよ、芸をやっている日本人がいると聞いたので」

と彼は真顔で言う。

ユウ君はスペインまで来た経過を話してくれた。

日本を出発したのは2年前、アメリカから南下して南米を回っているうちに、所持金が尽きた、クレジットカードを持っていなかった彼はアルゼンチンではウェイターをし、コロンビアでは路上で漢字で名前を書くというパフォーマンスをやってしのいで来たという。

南米からスペインに渡航費がどうしても捻出できなかったので、自分の趣味である愛用の一眼レフカメラを売って、旅費に当てたという。そうしてスペインに辿り着き、今はホステルの管理人をしているというのだ。

趣味である写真を撮るためのカメラを売ったというのが彼が本当にお金が無いことを証明している。もしお金を隠し持っているならカメラを売る前にそれを使うはずだ。

現在は管理人をしながら次の一手を考えているとのことだ。話を聞いて、スペインでも漢字で名前を書いたらどうか?と提案してみるが、既に試みたらしいがあまりよくなかったと言っていた。

これから夏になるので、ビーチリゾートでマッサージ師をやってみようかと思うと言っていた。私もそれはやったことがないので全くアドバイスは出来なかったが、どうだろうか。

なんだが私がかわいそうと思ってしまうほどの貧困ぶりである。

ユウ君を誘ってバルに行き、アクロポリスに招待して、自炊のご飯を一緒に食べながら色々と話をした。

ユウ君は勢いに任せた若者かと思ったが意外にしっかりしている、マイペースな感じで、海外青年協力隊が似合いそうな好青年だ。幸運を祈ろう。

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