マルタ共和国はイタリアのシチリア島の更に南に位置しているのかなりアフリカに近く、アフリカ人も多い。
先日の酔っ払いに連れて行かれたカフェもそうだけど、肌の黒い人種も多い。黒人の手品に対する反応は時に想像を絶するというか、考えの及ぶ範囲を超えているので面白いというよりか怖いこともある。
今日は街を歩いていると目の前に黒人の2人組みがやって来て話しかけてきた。
よくある「5ユーロを10ユーロに変えてくれ」とか言うお願いかと思ったが違った、一人の男が
「君は神を冒涜をしている」
と言い出した。
「へっ??」
人間違えじゃないかと思った。
目の前の黒人に見覚えは無いし、神を冒涜している覚えも無いからだ。
「何のことですか?」
と私が聞き返すと、男は真剣な表情で
「君のやっているブラックマジックは神へ背くことだ」
と言う。
「ええぇえ?何?ブラックマジックって?」
と頭の中で思って少し可笑しかったのだけど、男が余りに真剣に言うので、それをこらえた。
「いや、あれはブラックマジックでもなんでもなくトリックです」
と私は説明をする。「トリック」という意味が分かったのか分からないのか男は一呼吸置いてから
「あれを止めないと地獄に落ちるぞ!」
と冷静にしかも力強く言葉を吐き出した。もう驚きを通りこして、理解不能、何、なんなの?
「私はクリスチャンじゃないし、ほらテレビで見たことあるでしょう?あれですよ」
と説明しても全く聞く耳を持たない。
もうマルタでは少なくとも3回は同じ様に言われた。
この前の二人組み、その前に話しかけてきた女性と一緒だ。黒人に多いのは盲目的に信仰し、さらにマジックに対して免疫がないせいだろうか。
今日の2人組みはやたらに脅しみたいな言い方だったので、かなり肝が冷えた。
しかし手品をエンターテーメントと捉えずに、奇跡や不思議な力と信じ切ってしまう人がいるのは、少し怖い。
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