15 イタリア回遊編

ナポリを見て死ね

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「ナポリを見て死ね」と言う言葉があるという。

これはナポリの絶景を一生に一度は見ておいた方がよいということらしい。ナポリってそんなに素晴らしいところなのかと思っていると、イタリア人からは

「ナポリは迂回しろ」

とか

「ナポリに近づいたらだめ」

と全く反対のことを言われていた。そんな話を聞いてしまうと、「実際のところはどうだろうか?」と好奇心をくすぐられて余計に行ってみたくなってしまうのだ。

ナポリ迂回派はナポリが余りに危険だというのだ、荷物を手放せば3秒で消えるし、いい時計をしていれば腕ごとなくなるというのだ。どれも「本当かよ!」と言いたくなるのだが、多くの人からそんな話を聞いたのであながち嘘でもないだろう。

アルベロベッロに近づくにつれて「トルッリ」と呼ばれる建物が増えたけど、ナポリに近づくとゴミの山をよく目にした。

ナポリのゴミ問題は有名で、ごみ収集業者がストライキを起すのだそうだ。ゴミを収集されないのに、人々は容赦なくゴミを捨てるので、ゴミの山が出来上がる。

長期間放置されたゴミは異臭を放ちはじめる。時として街には印象に残る匂いがあるけれどナポリはなんともいえない生ゴミの臭いが忘れられなくなりそうだ。

中心地が近づくと、車のクラクションが絶え間なく鳴り響き、車の間を縫って渡るバイクと人、道を歩く様々な人種、視界に人間が絶え間なく動いていて、活気が溢れている。どことなく生命力を感じる街、ちょうどアジアの街を彷彿させる混沌さ。

「おおい、ここは本当にヨーロッパなのかい?」と自分の目と耳を疑いたくなるほどであるが、同時にこの情景に懐かしさがこみ上げて来て、気持ちが高揚するのが分かる。

この時点で「ナポリにきてよかった!」と強く思う。

ナポリはピザ発祥の地ということで有名なピザ屋を訪れてみた。「まぁ「うまい」と言ってもイタリアのピザは全体的に美味しいのでそれほど変らないだろう」との予測を大いに裏切ってくれて

「何これ!他のピザと全然違う!」

と叫んでしまうほどナポリのピザは格別だった。しっとりモチモチとした生地に乗せられ、専用の釜で焼かれたピザは今まで食べてきたどんなピザよりも美味しかった。そしてコストパフォーマンスも最高で30cmもあるような大きなピザが4ユーロで食べられてしまうのだ。

全く関連性がないけど「うどんは香川」みたいなものじゃないかと思う、香川県のうどんは、生活にうどんが入り込んでいるくらい身近で美味しかったが。ナポリのピザもそれに近いのではないかと思う。まだ「ナポリを見て死ね」というほどの絶景は見ていないが

「ナポリのピザを食ってから死ね」と言いたい程の衝撃だ。

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