けいの無銭旅行記 日記のページ

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出張手品

      2015/05/09

路上で芸をしていると、「家に来てやってくれないか」とお願いされることがある。

路上で芸をしている見ず知らずの外国人を家に招くという行為は、恐らく日本人だったらあまりしないと思うし、想像できないかもしれない。しかしヨーロッパに入ってからはそんなことが珍しくない。こと今居るイタリアではよく誘いを受ける。

呼ばれる理由で一番多いのが「子供の誕生会」。ヨーロッパでは子供の誕生日にあわせて小さなイベントを開催することが多くて、そのイベントの出し物としてである。しかし基本的に移動を繰り返しているので、その子供の誕生日までその地に居ることがないので大抵は断ることになる。

次に多いのが、イベントに呼ばれるパターンである。パーティや、レストラン、ディスコ、学校のイベントなどなど、多種多様にある。これも通常は断ることになるのだけど、数日後とか直ぐの場合は行ける範囲で出演させてもらう。

今振りかって見ると、路上で芸をしている外国人を実によく招いてもらったものである。

ところで先日も路上で声を掛けられた、テニススクールのイベントで直ぐ次の日だというので、「行きます」と返事をした。

メストレの街から自転車で30分くらいの場所にある、室内テニススクールだった。会場に着くと、既に皆スタンバイしていて小学生から中学生くらいの子供が20人くらい床に座り、そして周りに両親達が立っている。子供のうちからテニスを学んでいるだけあって、なんとなく上品な印象だった。

呼ばれて演じる手品は一通りを一回で、しかも観客は集中して見てくれるので演じる側はやり易い、しかし皆が皆楽しんでくれているかは不明である、なぜなら、その会場に集まった人は必ずしも「マジック」を見にきている訳ではないからだ。強制的ではないが、手品を見せられるわけである。また逆に期待をしている人もいるので、そう言った期待に応えられているかは正確には分からない。

一方路上は、様々な人がいる、マナーの悪い人も当然いるし大変なことも多いのだが、見たい人だけが止まり、見たくない人は止まらない。また期待通りでなく、つまらなかったら立ち去ればよいし、良かったと思えばコインを投げ入れればよい。

今のところ、そう言った素直な反応が見られる路上の方が私は好きである。

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