けいの無銭旅行記 日記のページ

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顔なじみ

      2016/01/01

「顔なじみ」と言っても、通い詰めているカフェでなければレストランでもない。

毎日路上で顔を合わせるセネガル人やバングラディシュ人のことだ。

大抵セネガル人は偽のバックを路上に並べていて、バングラディシュ人は小さいおもちゃを子供に売り歩いている。路上の芸はアンプや音を出していなければ注意されることはないが、モノを販売するのは販売品没収、そして厳重注意または警察署に連行されたりと、厳しいものがある。

そんな状況にも負けず、彼らは毎日路上に出て、パトロールの巡回の合間を縫っては路上に商品を並べる。

巡回は不定期だけど、セネガル人は自分達の仲間から見張り役を立てて、警察が来るとすぐに携帯電話で連絡が入り、あっという間に荷物をまとめて細い路地に入っていく。

ローマ、フィレンツェ、ナポリなど名だたる観光地には必ずと言っていいほど偽バック売りのセネガル人がいる。そして同時におもちゃ売りのバングラディシュ人もいる。彼らと同じく路上に立って芸をしている私に親しみがわくのかよく彼らに話しかけられる。

一週間も同じ場所に通い詰めれば、路上の彼らとも顔なじみになり

「今日は観光客が多い」

とか

「警察に仲間が捕まったとか」

そんな話をするようになる。ある日、バングラディシュ人が

「今日は私服警官がいて、仲間が4人も捕まった」

と深刻な顔をして言う。私服警官は一般人と見分けがつかず、彼らに取っては脅威なのだ。

「それじゃ今日は、大変だね」

と私が答えるのだが、彼は早速おもちゃを出して路上で販売し始めた。

「今日は私服警官がいるのじゃいないの?」

と確認するが、「大丈夫、大丈夫」と何を根拠に言っているのか彼は売り始めた。「へーそんなものなのか」と私は少し離れた場所で芸を始めた。ふと気が付くと彼の姿が見えない、「あれどうしたのだろうか」と、彼のいた場所に行くと、サングラスをつけたガタイのよい男性に囲まれている、私服警官だ。

「やばい」といいがならが続ける彼の根拠のない能天気さが謎だったが、やっぱり捕まっていた。ははは。

【写真】通る度に話しかけてくるバングラディシュ人達。

【写真】通る度に話しかけてくるバングラディシュ人達。


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