今日はベネチアで東日本大震災から1年ということで、ベネチア大学で日本語を学ぶ学生達が中心になり、チャリティのイベントが行われた。
イベントの内容は中古の古本の販売、書道、折り紙教室、それから100人規模の会場でのイベントなどなど。
日本から遠く離れたイタリアでもこうして震災を忘れずに、自発的にチャリティイベントを催してくれるとは、とても有難いことだと感じる。ありがとうございます。
中古本の販売コーナーには日本語の本も多数出品されていて、一冊3ユーロ。昔懐かしい沢木耕太郎の深夜特急を見かけたので思わず衝動買い。昔読んだのだがすっかり内容を忘れているので新鮮な気持ちで読めそうだ。
それから宮部みゆきの「レベル7」を購入、帰り道に背表紙の解説を眺めるとなんと読んだことのある内容だ、内容はともかく、読んだことのある本のタイトルも忘れていたとは、自分の記憶力が心配になるレベル。
イベントは日本語を学ぶイタリア人学生達のコーラスや、コスプレのコンテスト。ハンガリーやフランスでも思ったがヨーロッパ人は想像以上に日本アニメのコスプレが好きみたいだ、やたらに凝った人が多い。
しかし半分以上はなんのコスプレかは全くの不明、彼らがマイナーすぎるのか、私が疎いのかも不明。
帰りに顔見知りの日本人留学生に偶然出会った。
女性二人組みなのだけど、二人の話がなかなか興味深かった。一人の学生は「マスク」の勉強をしていて、「カーニバル」のマスクの由来を説明してくれた。
カーニバルが始まった当初イタリアでは身分制度があったらしく、「カーニバルの時ぐらいは無礼講で行こう」と皆仮面をつけたそうだ。その頃のマスクは男性はマスクをしていても食事が出来る口の部分が広がったものだったらしいが、女性は喋らない方が美しいということで、口にくわえるタイプのマスクが多かったそうだ。
身分制度の差はいいが、ずいぶんと男性と女性の差があると思うのだが、こちらは無礼講じゃなかったのだろうか。
カーニバル中は人間性を隠すためのマスクかと勝手に思い込んでいたけど、こんな起源があったとはよい話を聞いた。
もう一方の留学生はマンガのモチーフの為に、美しい水の都と言われるベネチアを訪れているとのこと。幼少期から続けているというマンガへ対する情熱が熱い。
というわけで、今日は若者の力を大いに感じた一日だった。真っ直ぐな若者のエネルギーと行動力は未来に対する希望を持たせてくれる。