15 イタリア回遊編

バスカーフェスティバル

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モンファルコーネの街でバングラディシュ人に囲まれながら芸をしていると、イタリア人の男性に話しかけられた。

「ストランツァーノの街に行けば人が沢山いるはずだ、今はフェスティバル中だぞ」

「ストランツァーノ?」

 全く聞いたこともない名前の町だ。彼に「ここから遠い?」と「どの方角?」と訊ねる「4,5km」「西方向」という返事。自転車で行ける範囲内だ、早速そちらに向かうことにする。

 ストランツァーノ町の方向は分かったのだが、フェスティバルの会場が分からずにウロウロとしていると先ほど「フェスティバル中だぞ」と先程教えてくれた男性が車で自転車の横にやって来て「こっちだ!」と誘導してくれる。なかなか親切な人がいるものだ。

 彼のおかげで無事に会場に到着。

 しかしさすがにフェステバルのど真ん中で芸をするわけにはいかない。会場近くの空いた小道でこっそりと始める。フェスティバルに来る人々は「何か面白いものはないか?」とキョロキョロとしているのであまり目立たない場所でも十分に足を止めてくれる。

 ひと段落したところで30代前半と思われる男性が話しかけてきた。

 大抵こういう場合は「あれはどうやっているんだ?」と手品関連の話が多いのだが、彼は違った。

「私はとトマースといいます」

と流暢な英語で話し始め

「今度の日曜日にバスカー( 路上芸人)フェスティバルがあるのだけど、それに出てもらえないか」

 という単刀直入なものだった。以前にも何度かフェスティバルへのお誘いがあるのだが、殆どの場合2,3月後、時には来年と言う話なのだ。

 トーマスの話しだとフェスティバルはすぐ5日後、これなら問題なさそうなので参加させてもらうことにした。

 さて当日、指定された時間に会場に向かう。会場には既にジャグリングの道具や太鼓を持ったいかにも芸人という人が集まっている。トーマスが私を見つけて「やぁ」と言って手を出してくる、私も「やぁ」とそれに応える。どうやらトーマスはこのフェスティバルのオーガナイザーらしい。

 トーマスに渡された紙を見ると学校の時間割の様な表で誰がどこでいつ演じるのかが書き込まれていた。自分の名前を探すと3時半と8時半の二回。場所はいづれも2番会場。このスケジュール表は観客にも配られて誰がいつどこで何をするかが分かる、それでお目当ての芸を見に行くのだ。

 普段の路上で演じている気軽さに比べると、時間を決められてそこで演じるというのは少々緊張する。しかし正直なところ緊張よりも観客が誰もいなかったどうしようかという不安の方が大きい。さて、どうなることか。

【写真】バスカーフェスティバル会場の様子

【写真】バスカーフェスティバル会場の様子


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