15 イタリア回遊編

水の都へ

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 1年かけて自転車で進んだ場所から14時間のバスと鉄道で戻ってきた、自分の奇行が時々怖い。

 逆に考えるとバスと鉄道で14時間のところを1年かけて進んでいたのか、自分の愚行が怖い。これは今更でもないか。

 しかしこう考えればよい。バスや鉄道で14時間で移動できる距離でもじっくりと時間をかけて回れば様々な出来事や出会いがあり忘れられない旅行になる。言い訳のために感動仕立てしておこう。

 ベネチアメストレに着き、電車を降りるとあまりの寒さに驚いた。息が白い。同じアドリア海沿いのクロアチアのスプリトでは「もう春か?」と思うほどの陽気だったのに、ベネチアにきたら完璧に冬。距離と一緒に季節も戻してしまったみたいだ。

 千年以上の歴史を誇る水の都は相変わらずで、数年や数ヶ月ではたいした変化は見られない。それでも目を凝らすと、並んだ店の内容が変わったり、閉店していたりする。メインのサンマルコの広場の寺院では大きな工事が始まったていた。

 相変わらずに多い観光客の合間を縫って進んでいく「あれ、久しぶり!戻ってきたの?」という話かけられる、声の主に視線を注ぐが、よくあることで全く誰かだ分からない。なんで分かったのか?と訊ねると、いつも芸をしていた近くのキオスクの店の人だった。

 全く始めての地ではない、足も迷うことなく進んでくれる。

 いつも芸をしていた通りのバングラディシュ人の店も大幅に店員が変わっていて、顔見知りは僅かしかいなかった。

「どうしていたか?」と定番の質問を何度もうけてその度にクロアチアを走っていたと簡単に説明をした。街自体に変化は見られないがそこで生活する人間は色々と変化しているのだなと思う。

 記憶の片隅でも人に覚えていてもらうというものはなんと言っても嬉しいものだ。確かにこの地に自分がいたのだと再認識させてくれる。

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