イースター

路上で芸をする人にとって、逃してはならない期間がある。

ヨーロッパ、7月、8月のバカンスシーズン、特にキリスト教圏ではクリスマスから年が明けるまでのホリディ、そして復活祭のイースターである。この他にも細々としたのはあるけれど、この3期間は路上で生活するものには外せない時期である。

【写真】宮殿の金門近くにあるグルーグル司教の巨大像
【写真】宮殿の金門近くにあるグルーグル司教の巨大像

なぜならこぞって人々が出歩き、移動するから。

夏のバカンスと、クリスマスのシーズンは毎年決まった時期だが、復活祭は毎年移動するので要注意。

そんな復活祭の取り決めは「春分の日から最初の満月の次の日曜日」

って分からないので、イースターを知りたい人はウィキペディアの復活祭を参照にする。これを見れば2022年までのイースターの日にちが一目瞭然だ。

今年は3月31日がそれだ。そしてその前後が休日になり、学校が休みになるので路上に子供の姿が溢れる。

この時こそ路上に立つときなのだ。これを逃してはいけない!

そしていよいよ金曜日、イースターの休暇が始まるとされている日だ。

いざ行かんと路上に出るが、、

海辺に掲げられているクロアチアの国旗がバタバタと踊り狂っている。 そうなのだ今日は風が吹き荒れている。

「ぐうぅ、どうなのか?」

せっかく天気は良いのだが、風は手品にとっては天敵。

ハンカチを出せばそれが吹き飛ばされ、スポンジボールを使えば地面を転がっていってしまい、それを追いかけて走り回る。全くペースを乱される。

芸を自分のペースでしっかりとやりたいのだが風がこれを邪魔する。なんてことか。

結局早々に撤退。収入殆ど無し。 自転車を漕ぎながらもう何千回も繰り返した言葉を今日も繰り返す。

「自然には逆らえんなぁ」

街にいると「自然」という人間社会の外側の存在を忘れそうになるが、こういった雨や風が時々しっかりとそれを思い出させてくれる。

【写真】高台からみたスプリトの街並み。
【写真】高台からみたスプリトの街並み。

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