15 イタリア回遊編

真っ黒なアドリア海

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出航時間になると、フェリーは先に明かり一つ見えないな漆黒のアドリア海を緩やかに進みだした。海面の状態は穏やかで船体はそれほど揺れない、甲板を上を撫でていく塩の匂いの夜風がとても心地よく感じた。

【写真】クロアチア ドブロブニクを夜10時に出航。

【写真】クロアチア ドブロブニクを夜10時に出航。


 クロアチアとイタリアを結ぶフェリーの料金は55ユーロで、自転車は無料、ただしこの価格の料金は部屋や座席がなく「デッキ」と呼ばれている。この「デッキ」が表しているのは文字通り「甲板」で「船のどこかの甲板に乗船しなさいよ」ということ。

乗船時間はおよそ10時間。船内にはカフェやレストラン、バーやみやげ物やまで併設されているので時間をつぶすには事欠かないのだが、やはり12時を過ぎると眠気が差してくる。

そこで「デッキ」料金の乗船者達が船内の寝心地のよさそうな隙間を探して横になる。実はこの場所取りが結構重要で、フェリーに乗船直後からカーペットゾーンには「ここは私の場所ですよ」の場所取りを主張する荷物が置かれていた。

夜が深まってくると船内のいたるところにゴロゴロと寝ている人を見かける。バックパックの若者中心かと思ったがそうでもない、中年のカップルもいた。こちらも適当な場所を探して寝転ぶ。普段野営をしているものからするとここは蚊も小動物や昆虫もいないし、酔っ払いに絡まれる心配も無い、空調が聞きすぎていて少々寒いがそれを除けば中々の好条件だ。

時々目を覚ますと通路の明かりが眩しい。深夜といえど通路の明かりは消えないようだ。対照的に船特有の角の丸い窓の外は塗りつぶされたように黒一色の世界が広がっている。深夜のアドリア海の真ん中に明かりを発するものなど星や月以外にないのだから。

次に目を覚ますと窓の外が明るく、通路を歩く人が出始めた。時計に目をやると6時を少し回ったところだ。あたりがざわめき出したので起きる。甲板に出ると陸が思ったよりずっと近かかった。それから陸に立っている建物の数に驚いた。到着予定のバーリの街は出航したドブロブニクよりずっと大きい。

それから1時間ほどでフェリーはゆっくりと静かに着岸。

フェリーから降りた乗客が一斉に港を歩き、イミグレーションの建物に入る。私も自転車と一緒に並ぶ。女性係り員はペラペラとパスポートの最初の数ページをめくると「トン」とスタンプを押す。イタリアの入国審査はクロアチアのそれと比べてずいぶんといい加減に見える。

灼熱の太陽が容赦なく照りつける港から市内に自転車を走らせる。毎回違う一面を見せてくれるイタリア、今回はどんな発見があるだろうか。色々と楽しみだ。

【写真】船内でゴロリと横になる旅行者。

【写真】船内でゴロリと横になる旅行者。


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