15 イタリア回遊編

足を止める習慣

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昼間は灼熱の太陽が照りつける南イタリア。昼が暑くて行動に向かない分夜が長い。

日が傾きかけた夕方から夜にかけて人々が最も出歩く時間だ。湿度が低いのせいか太陽が沈むと汗がダラダラということはなくサラッとして過ごしやすい。

バカスン(休暇)シーズンに入った8月の夜、レッチェの街は毎日「お祭りか?」と思うほどの人ごみになる。

日本旅行者にほぼ無名のレッチェもイタリア国内では有名な観光地らしく、バカンスの観光者でにぎわう。

家族や友人、恋人と街を歩くわけであるが、夜9時を過ぎると殆ど商店がシャッターを閉めている。となると散歩をしている人は手持ち無沙汰な状態になる。そこで登場するのが路上の芸人達だ。

夏夜、路上で音楽を鳴らし、芸をしている人がいるならば「おっ、何をやっているのだろうか?」と足を止めたくなるものだ。

日本ではあまり考えられないかもしれないが、こちらの人は芸を見ることにとても慣れている。

【写真】欧州では芸に足を止める人が多い。

【写真】欧州では芸に足を止める人が多い。

子供連れの両親が止まる、熟年のカップルが覗き込み、もちろん若者も足を止める。散歩中に何か芸を見かけたら「何をやっているのか?」と立ち止まる。これはもう習慣といってもよいくらい、よく止まる。

恐らくこれは長い時間をかけて引き継がれてきたものだと思う。

親が止まれば子供も当然止まる。時間が経ちその子供が親になったら、また同様に足を止めるだろう。こうやって、芸を見ることが引き継がれているのだ。

よく路上芸人の仲間に「アジア人は足を止めないね」と言われる。そうなのだ私達にはそういう習慣がない。自分自身を振り返っても、幼少期両親に連れられて街を歩いているときに芸に足を止め、いくらかのコインを器に入れた記憶がないのだ。

加えて日本では路上で芸をしている人自体が少ないというのもある。

「芸に足を止める習慣がない」「芸人自体が少ない」というのもあって路上の芸は日本人にとってあまり馴染みのないものになっている。

しかしこちらはその逆である。路上で何かをしている人がいれば積極的に足を止め、見る。そして自分がよかったと思えばコインを出すし、イマイチならばコインを出さずに早々に立ち去る。

文化や習慣は親の親の代、それ以上の歳月をかけてその社会に定着したものだ。

今日、両親に連れられて芸を見た子供達が、20年後両親になって子供を持った時、同じように芸に足を止めるだろう。

【写真】欧州の人は幼少期から芸を見ることに慣れている。

【写真】欧州の人は幼少期から芸を見ることに慣れている。


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