けいの無銭旅行記 日記のページ

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芸の値段

      2015/07/23

 最近は路上芸のことばかりしか書いておりませんが、一応旅行記です。といいながらまた芸の話なります。

 路上で芸を演じていると人々がコインを投げてくれたりします。

 芸に適正価格などないので、皆が思い思いでコインを入れてくれるわけです。

 ユーロの場合、1セントからコインがあるので何かしらコインを入れてもらえたらこれが最小単位。上は500ユーロ紙幣というのがあるらしいですが、おもちゃ紙幣でしか見たことがありません。

 そしてこの放り込まれるコインが一応「あんたの芸の代金だ」ということになります。

 以前一時期「自転車旅行中」とか「日本から」とかの看板をだしていましたが、これを置くと、この看板だけでお金を入れてくれる人が多い。

 逆に言うと芸以外の力でコインを投げ入れてもらっていることになります「おっ、自転車旅行か?」とか「あっ、日本人だから」という理由でコインを投げてくれる人が意外にいます。

 日本にいると全く感じないと思いますが「日本人」というだけで世界では待遇がよくなったり、好意的に受け止めてくれる人がいます。その逆もありますが。

 ある時期から疑問を抱きました。

「もしかして芸ではなく看板の効果?」

ってことにです。もともとは看板なんてものはナシに芸をはじめたのですが、看板を出すとその効果があまりに大きかったので、再び何も出さないようになりました。

 なので今は一切何も出さずに演じているわけですが、それでも人々はコインを投げ入れてくれます。

 つまり、私が中国人でも、韓国人でも台湾人でもモンゴル人でもよくて、旅行者じゃなくてホームレスだろうが、恐らくかなり純粋に芸に対してのコインが放り込まれていると思います。あくまで推測ですが。

 話は少しそれましたがつまり毎回路上で足を止める人に芸の値踏みをされるわけです。この芸じゃ20セント、まぁこのくらいか50セント、ブラボーといいながら2ユーロくれる人もいます。さらに何だか感動したとかで紙幣を出してくれるひとも稀に、

 先日は酔っ払った陽気なアメリカ人が20ドル紙幣を手渡してきました。酔っ払っていたので正気に戻った時に「あれ?20ドルない」とかならいないとよいですが。

 また話はそれましたが、という具合に。芸の出来が直に結果に繋がるわけです。

 やはり会心の芸が出れば入れてくれる人が多く、コインの単価が大きくなる。イマイチの芸をすれば、コインの単位は小さくなるし、立ち去るだけの人が多くなります。

 これは実は結構気楽です。なぜなら出来の良し悪しで相手が勝手に値を考えてコインを置いていってくれるからです。

 ところがそうはいかない時があるのです。それがパーティや誕生会に呼ばれた時。

 路上で芸をしているとイベントや誕生会に来て欲しいといわれることがあるのですが、そういった場合は事前に値段が成立します。それは相手が聞いてくるし、私も大体このくらいだろうという値段できまります。

 じゃぁ問題ないじゃないかと思われるかもしれません。

 ところが芸は会心の一芸でも解説したように、芸はその場の雰囲気、集まった人に左右されることも多い。こちらは同じ事をしているわけですが。

 誕生会やパーティなどはその場限りの一発勝負。

 大うけすると「うわっー呼んでよかったよ!」などのお褒めの言葉を貰ったり、私の誕生会に来て欲しいなどと次の依頼がきたりします。

 これはよかったと思うほうです。値段も交渉したときより、プラスアルファで高い金額を貰ったりします「よいのですか?」と訊ねると「もちろん!」と明るい返事が返ってくる。

 一方、気まずいのが全く盛り上がらなかった時。路上で言う痛恨の一撃です。

 凄い雰囲気が悪いというか、場がまとまらない時があります。子供の集中力が切れる、なぜか落ち着かない雰囲気、私自身が子供をまとめきれない時、また年齢が小さすぎる、さらに会場が想像以上にでかい時など全くこちらの予想に反して反応がさむいことがあるのです。

 こういう時が非常につらい。

 ある一定の金額をいただいているのに、なんとなくあまりうけてなく終了という場合。呼んだほうも、うーん、と唸り、会場はまるで何事もなかったように終了。芸の終了後に話しかけてくる人もいない。

 すると自分でも「うわっーやっちまった!」となります。それよりも何より呼んでくれた人の期待にそえず申し訳ないという気持ちになります。

 高額の申し出の時などもはや半額でよいですと言いたい。少額でも見てくれた人が満足してくれたほうが演者としてはとってもよい気持ちになります。

 芸に値段はありませんが、しいていうならば人々の反応、リアクションをもらえるのが金額うんぬんよりも嬉しいものです。

 芸に値段はないけれど、芸の対価は観客の笑顔と拍手と満足度で支払われていると感じる今日この頃です。

【写真】会場の雰囲気により様々なことが起こる。

【写真】会場の雰囲気により様々なことが起こる。

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