「06海抜0mからエベレスト編」 一覧

手のひら

カトマンドゥに到着してあっという間に数日が過ぎた。 雪崩や滑落の恐怖に怯えることも、天気予報を聞いて一喜一憂することもない、あの薄い空気の中での記憶が薄れ、腑抜けた平穏な日々が流れていく。 カトマンド ...

初夏の風

 エベレストのベースキャンプを出発してから一週間が経つが、相変わらず山の中を歩いている。 自転車を止めた場所を目指している。薄い空気の中で登山して痩せてしまった体は標高が下がると軽くてしょうがなく、酸 ...

疲労感

山頂は完全に雪で覆われている。 広さにして3畳くらい、そして「タルチョ」と呼ばれるチベット仏教の旗が雪面に刺さり、強風になびいている。 赤、青、黄、緑などの原色で、色はあせていないから今期の登頂者が残 ...

終着点

もう稜線の先には何も見えない、何も存在しているものはない。 あるのはからっぽの青い空だけだ。 稜線の終わりに色とりどりの旗が見え、それが風になびいている。 雪と氷と岩の圧倒的な自然の中に、不釣合いな旗 ...

サウスコル

 岩場を進んで行くとテントが見え始めた、サウスコルにある標高8000mのキャンプ4だ。  サウスコルに着いたが我がチームのテントは無く、これから作るのだという。 強い風が吹き荒れていて、台風みたいだ。 ...

ジョセフの決断

5月27日からの好天に合わせ、キャンプ2まで登ことになった。 今年は良い天候に恵まれず登山期が大幅に遅れていた。 春が終わりを告げると、外気温が一気に上昇し、雪崩が頻発するようになる、通常はその前に登 ...

スティーブ下山

エベレストの春の登山期は4月5月であり6月はない。 なぜなら6月に入ると気温が上昇し、アイスフォール氷塊の崩壊が活発になるからだ。  5月でさえ氷壁の倒壊が起こり、その度にルートが変更になった。6月は ...

一度きりのチャンス

交錯する天気予報を絞り、アタックする日が決まった。 19日から23日まで良い天気が続きそうだとの天気予報が多かったので、私達の隊もその情報に乗り出発することになった。 いよいよ明日出発という時になり、 ...

退屈な日々

好天を待つ日々は退屈だ。 ベースキャンプには電気はきていない。発電機を持ち込む隊もあるが、発電機を動かすにもも燃料が必要で、結局のところ節約が大事になってくる。どの道常時電気が使えるわけではない。 私 ...

天候待ち

 高度順応の行程を何とかこなし、一旦、高度の低いペンボチェまで降りて数日を過ごした。  さらに3000m台のタンボチェまで降りると、あたりは青々と木々が茂り、路上には色とりどりの花が咲いていた。ペース ...

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