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それぞれの旅
朝6時くらいだろうか目が覚めた。 今日は早起きする必要がないのに、なんとなく寝ていられないのだ。朝日はもうすっかり昇り辺りは明るい、水面の状態は最高に良く波ひとつない。 航海中の日々なら間違いなく漕ぎ ...
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浸水
今日はやたらに水が船内に入ってくる。 今までは1時間に1回水を汲みだせばよかったのに、今日30分に一度汲みださなければならないほどだ。原因は分かっている、先日船を丘に上げたからだ。 船の木が乾燥し乾い ...
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荒れる海と小さな村
満月に近い月が雲の無い空に浮いている、その月を蚊帳越しに眺めている。 無風にもかかわらず海は荒れていて波の音が絶えず聞こえる、今日の出港は無理そうだ。 こんな日に出て行っても波に船がひっくり返されるだ ...
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拘束
そのモーターボートはものすごい勢いで近づいて来た。 「また海上警察が来たのかもしれない」。 出航してから10日間、もう何度も海上警察がやってきたので要領は分かっている、大抵全員のパスポートを提示して何 ...
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レジャーランド
朝4時起き、まだ誰も起きていないかと思ったら、暗闇の中、山さんが起きていて驚いた。 鍋に水を入れてお茶を沸かす、朝の暖かい一杯が体を目覚めさせる。 イラン8月の日中は焼かれるような暑さだが、この時間は ...
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謎の男
ホンの数日のつもりで一緒に走り出したフィンランド人のタトゥ、気が付けば既に2ヶ月以上行動を共にし、現在も一緒にカスピ海横断の旅をしている。 酷暑の中、自転車を漕ぎ野宿ばかりで修行の様な旅行なのに何が彼 ...
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とにかく出航
朝4時30分、まだ夜が完全に明けない内に、船に荷物を積み込み岸を離れる。 ノリさんの午前中は波が穏やかとアドバイスしてくれたので、出来るだけ朝早くに漕ぎ出した。湾内の水面は平らで、時々モーターボートが ...
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ノリさん
一旦湾の中に引き返した。それだけで「ほっ」とする。 外の海とこの防波堤に守られている湾の中では状況が明らかに違った。 船を寄せられそうなモーターボートツアーの会社に船をつける。ここの店員さんの一人が日 ...
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ダルヤ、カタルノック!!
今日は練習兼ねて船で港を出てみようと言うことになった。 船を手に入れてしまったし、海が荒れているといっても行ける程度なら出航したいのだ。とりあえず全員ライフジャケットを着込み、波が静かだという早朝をね ...
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湾の海と外の海
バンダレアンザリ港に来てカスピ海の様子を見る。 港に着いた時、私達が目にしたのは港の中のカスピ海。波はなくとても静かな海面に見えていた。 しかしその後、港を離れ湾外のカスピ海を目にすると、それは大きく ...