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【エベレスト登山】エベレスト登山に必要なもの4つ。その3、身体能力。

公開日: : 最終更新日:2019/01/05 エベレスト登山

 前回、前々回と続けて「エベレスト登山に必要なもの4つ」と称し、時間資金について述べてきた。今回はその3つめ、身体能力についてである。

 エベレストの登山を考え、時間を確保し、資金を集めた、さて次に必要なのは何か?

 登山者自身の身体能力ではないだろうか。

 エベレスト登山で求められる身体能力的なものは3つに分類できる。

1.高所に順応できる能力。

2.長期テント生活にも耐えられる能力。

3.登山における体力。

 各能力について詳しく見ていこう。


1.高所に順応できる能力

 これは標高の高い場所に体が適応できるかどうかである。エベレストの登山はベースキャンプですら標高5300m、そこから8848mの山頂までで行われる。

エベレスト登山は5300mのベースキャンプから始まるので高所順応が必要になってくる。

エベレスト登山は5300mのベースキャンプから始まるので高所順応が必要になってくる。

 高度順応できない人にとってはかなり困難であるといえる。

 通常殆どの人は高所に体を運ぶと薄い酸素に対応して順応が起こる。この順応作業が症状となって現れるのが高山病(WiKi 日本語)である。

 薄い空気中から体内に酸素を取り入れるために血中のヘモグロビンが増加する、これが高山病の諸症状を引き起こすとされている。

 頭痛や食欲不振などは代表的な高山病の初期症状。ひどくなると脳内に水が溜まる脳浮腫や、肺に水が溜まる肺水腫などに症状が進み、命を落とす危険さえある。

 一般に高山病になっても低地に戻れば、何事も無かったように症状が消える。

 再びゆっくりと高度をあげていけば、身体の順応が進み、以前症状が出た高度でも症状が出なくなる。これが高度順応である。

 しかし稀に何度順応の過程を繰り返してもどうしても高山病の症状が治まらない人がいる。これらの人は当然高所の登山には向かないということになる。
 
 自分自身が高所に順応できるかどうか?を知る方法は、実際に高所に体を運んでみることである。
 
 高山病の症状は早い人であれば標高1000mで出始める人もいる。エベレストの登山を目指す人であれば少なくとも。標高5000mに順応できる必要があるだろう。

 日本では富士山の3776mが最高地点なので5000mには届かないが、富士山を登り、高所の順応ができるかは一つの目安になるだろう。



2.長期のテント生活にも耐えられる能力。

 エベレストに登るために必要なもの、その1でも述べたが、エベレストの登山は短くても30日長ければ60日と登山自体の時間が長い。

 この間登山者は当然テント生活を強いられるわけであるから、それらの生活に耐えうる能力が必要だ。

エベレスト登山では長期のテント生活が必要でもある。

エベレスト登山では長期のテント生活が必要でもある。

 少なくともホテルのように室内空調が効いて、テレビやシャワーがあるといった環境ではない。プライベートな空間は個人のテントで保てるが、テントの広さは2畳にも満たないし、立ち上がれる高さもない。

 エベレストのベースキャンプは標高5300m、登山期が春だとしても夜間はマイナスになる条件である。テント内で寝袋に包まり寝るわけであるが、そういった環境が続く。

 こういった条件下でもシッカリと睡眠がとれ、体力を維持できる能力が必要になってくる。


3.登山における体力

 高度に順応できる能力、テント生活に耐えうる能力の次に来るのは肝心の体を上方に運ぶ体力である。

 少なくとも標高2830mのルクラからベースキャンプまでのトレッキング。そしてベースキャンプから上に登る体力が必要。

 別に急いでいるわけではないから体力はそれほど必要じゃない?と思われるかもしれないが、エベレストをはじめ高所の登山はそなことはない。
 
 少なくともスピーディに移動できる体力が要される。

 理由は簡単に高所では様々環境が一瞬にして変わるから。

 例えばエベレスト登山、最初の難関であるアイスフォール。ここを3時間で抜ける人と10時間かかる人では危険度が変わってくる。

 なぜならアイスフォールでは氷塊の崩壊が頻繁に起こるからである。危険地帯に身を置く時間は短ければ短いほど安全が確保できるのは明らかだ。

 今にもなだれが起きそう箇所を10分で通過するのと、30分かかるのでは危険に晒されている時間が変わってくる。当然遅い方が危険度が高まる。

 また登山時間が長くなるということは、寒冷地に長時間いることを意味するので凍傷を患いやすくもなる。

 そしてなんといっても最終アタックの時に一定の体力が求められる。

 それは標高7900mのキャンプ4から山頂8848mまでを登って降りてくるだけの体力だ。およそ高低差1000mを往復するの16時間前後で行う。

エベレスト最終アタックでは高低差約1000mを往復できる体力が必要。

エベレスト最終アタックでは高低差約1000mを往復できる体力が必要。

 この体力が無ければ最終的なアタックにも時間がかかりすぎ、1996年に起こったエベレスト大量遭難事故(「空へ」著者ジョン・クロッカワー)のようにことになりかねない。

 
 以上がエベレスト登山に最低限必要な身体能力である。
<関連リンク>
【エベレスト登山】エベレスト登山に必要なもの4つ。その2、資金。



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