【旅行術】カウチサーフィンCouch Surfingが日本人に人気がない理由を考える

近年旅行者の間ではカウチサーフィンと呼ばれるインターネット上のサービスが人気を集めている。

これはインターネットを介して旅行者と現地の人が交流をしようというものだ。

このサイトに登録すると他のメンバーとメッセージ交換ができ、希望によっては現地のお宅にお世話になれたりする。

カウチサーフィンはどうして日本人に人気がないのか。
【写真】カウチサーフィンはどうして日本人に人気がないのか。

このカウチサーフィン、全世界で1400万人(2020年、参照)のメンバーが200カ国以上にいるとのこと、つまり全世界どこでもメンバーがいるといってもよい。

しかしなぜか日本人の間ではそれほど流行していない。また日本人のメンバーも人口比率からいって極端に少ない。

これは何故かを考えてみた。

1.英語でコミュニケーションしなければならない。

カウチサーフィンは他国人との交流が多いので、その際に共通語として英語が使用される。日本人は中学から英語を勉強するものの、英語でのコミュニケーションは得意でない人が多い。

学校の試験なので文法的なものは殆どの人が分かっているものの、いざ話すとなるとなかなか難しい。読み書きはできても、リスニング、スピーキングはどうもということになる。

これはカウチサーフィンを日本人から遠ざけている一つの大きな理由になっているだろう。

ちなみにカウチサーフィンの利用が多い国はやはり英語をネイティブとしている国が多い。

2.人をあまり家に招き入れない習慣。

 日本では人を家に招くことはあまりしない。

 通常は人を家に招待するのは親戚かごく親しい友人だけである。あまり親しくない人の家には上がりこんだことながい。

 靴を脱ぐという習慣のせいだろうか、家はその家族のプライベート感が大きい。

 対して靴を脱がない文化圏の人は外客に対して割とオープンな感じがするし、友人を招いてのパーティや会食会などを催すことにも慣れている。

 つまり日本人にとってインターネットで知り合ったばかりの人を自分の家に招きいれるのには少なからず抵抗があるといえよう。

靴を脱がない習慣の欧米
【写真】靴を脱がない習慣の欧米

3.また人の家でくつろぐのも苦手。

 よく英語圏でカウチサーフィンを利用すると「自分の家のようにくつろいで」といわれるが、あまり人の家に招かれたことがない日本人にとってはなぜかあまりくつろげない。

どこか借りてきた猫のようにおとなしくなってしまう。

旅行先で泊めてもらえるのはうれしいがどうも気が休まらないということも多いのではないだろうか。

逆にもてなす(ホスト)から見ると非常に行儀のよい、素行のよいゲストとなりえるのだが。



4.日本はほぼ単一民族の国

 これも外国人と距離をとってしまう原因のひとつだと思う。そもそも日本は殆どの住民が日本人で占められているので、外国人に対して免疫がない。

「家に外国人が来る!」というだけで、ただならぬ敷居を感じてしまう。

それに比べてアメリカのように多民族国家の人は人種間の交流に全くと言っていいほど抵抗がない。

この差も少なからず影響しているだろう。

まとめると

日本にも英会話に自信があり、初めて出会う外国人との交流も抵抗なく、自分の家をオープンにでき、ゲストとしても気兼ねないという人はいる。

しかし現状を見ると日本人の人口比率のメンバー数は極端に少ない。そういったタイプの人は日本では決して多くないということだろう。

もともとカウチサーフィンは多国籍の人々が暮らすアメリカで生まれ、西洋文化の中で好評を得てきたもの。単一の民族で構成され、他国籍者に対して不慣れ、培ってきた文化も違う日本では流行するのは難しいだろう。

参考までに。

カウチサーフィン参加人数順位

1.アメリカ

2.ドイツ

3.フランス

4.カナダ

5.イギリス

6.スペイン

7.イタリア

8.ブラジル

9.オーストリア

10.中国

カウチサーフィンと同様のネットワークであるホスピタリティクラブの国別参加者ランキング。

1位 ドイツ 84192人

2位 フランス 52712人

3位 アメリカ 45866人

4位 ポーランド 41334人

5位 ロシア 28177人

6位 スペイン 25083人

7位 トルコ 22539人

8位 イタリア 21768人

9位 イギリス 20213人

10位 ブラジル 20203人

<参考リンク>
カウチサーフィントップ10の国
カウチサーフィン wiki英語

関連記事

2009年ごろから旅行者の間でカウチサーフィンと呼ばれるサービスが話題になっている。このカウチサーフィンはミクシィやfacebookのように登録した人が交流できるSNSサービス。しかしミクシィなどと大きく違うのは登録しているメンバー[…]

【写真】旅行者と現地人を結ぶカウチサーフィン。
関連記事

旅行を通じて数多くのバックパッカー、日本人旅行者に出会ったが、カウチサーフィンを利用しているという旅行者は少数である。日本人が集まる宿などで10人の旅行者が集まると、利用している人は1~2人くらい。(これは個人的感覚なのであくまでも[…]

カウチサーフィンは現地の人と旅行者を結ぶサービス。
防災、キャンプでも使えるポータブル電源【PowerArQ】

ツイッターで更新、最新情報をつぶやいています。