【エベレスト登山】「エベレスト3D」として映画化された1996年の遭難事故。

2015年11月6日、日本にて「エベレスト3D」の公開上映が開始。

「エベレスト3D」というタイトルだけでは世界最高峰エベレストについての映画ということ意外は分からない。

この映画は一体どんなストーリが映画化されたのかという話が今回の記事である。

(この記事にはエベレスト3Dの元になった遭難事故の概要がかかれていますが、映画のストーリ、結末は分からないように書いてあります)

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エベレスト登山で起こった実話を元にしている

エベレスト3Dはエベレスト登山の話。

そして架空のストーリではなく1996年に実際に起こった当時エベレスト史上最大の遭難事故に基づいての話になっている。

この遭難事故では数多くのエベレスト登山者遭難死した。

どんな遭難事故だったのか

近年のエベレスト登山は商業登山、公募登山と呼ばれる、登山ガイドがエベレストに登りたいと考えている顧客を組織する方法が一般的になっている。

分かりやすく富士山で説明すると。

富士山に登りたいと思っている人が集まり一つのグループを作り一緒に登るというイメージ。

そしてそのグループを組織する会社があり、山頂まで顧客を導くガイドがいる。

エベレスト登山の場合、世界中からエベレストに登りたい人が集まり、一つのチームとして山頂を目指す。

それまでは会ったことも話したこともない人が一つのチームとなり登山する。
当然、登山技術や体力はバラバラである。

商業登山が開始される以前は精鋭登山家が集まり一つの隊として登ることが多かったので隊員はある程度の水準があった。

 

現代のエベレスト登山の問題点

1990年代からはエベレスト登山は商業隊、公募隊が増加している。

ところが登山経験も体力もバラバラである登山者が集い登山を行う公募隊、実は多くの問題点を含んでいる。

この遭難事故ではそういった問題点が浮き彫りになっている。

体力差によるスピード、移動距離、行動時間の差。

登山人口が増えることによる山道の渋滞など。

また決して安くはない参加料を支払うことによる、山頂への執着心。

ガイド側は高い参加料を徴収していることからの義務感。

などが複雑に入り組んでいる。


自然の厳しさ

現代の社会人が感じにくくなっている自然の厳しさも再認識させられる。

地球上で最も標高が高い山の山頂は自然環境が厳しい。

「デスゾーン」と呼ばれる標高8000m以上という地上の三分の一以下の酸素しかない高さで、滞在しているだけで体力を奪われていく領域での行動の困難さ。

空気の薄さはもちろん、雪と氷と岩だけの氷点下の世界。あっという間に変わる天候。吹き荒れる強風、雪が視界を防ぎ、登山者の進行を妨げる。

地上では全く問題にならない100mという距離を進むにも困難を極めることがある。

また登山者は氷河の登攀、急斜面、岩場、大きく割れた氷の割れ目など日常では目にすることのない荒々しい自然と向かい合うことになる。

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実話だけに物語の結末は簡単に探せる

この記事では事故の概要を省いて記述していますが、実際にあった遭難の話だけに捜せば数多くの情報が得られます。

映画で結末を知りたい方は見ないほうがよいかもしれませんが、1996年の事故に関してのウィキペディアもあります。

<関連リンク>
ウィキペディア1996年のエベレスト大量遭難

まとめ

2015年エベレスト3Dにより1996年のエベレスト遭難の事故がクローズアップされた。

この遭難事故は現代のエベレスト登山における問題点、そして忘れてはならない自然の脅威を思い出させてくれる。

実はこのエベレスト3D映画以前にも「Into Thin air」(邦題「空へ」)という映画で全く同じ遭難事故が映画化されている。当時の公募隊参加者による書籍も何冊がでているので興味がある方はこちらもどうぞ。

1996年の事故のあった登山隊に所属していたジャーナリスト、ジョン・クロッカワが書いた書籍。

上記のジョン・クロッカワと同様、遭難した隊に所属、自らも危険な状況に陥ったベック・ウェザー氏により執筆された一冊。

 今回は以上。
<関連リンク>
【エベレスト登山】1996年エベレスト大量遭難事故は何故起きたか。
【エベレスト登山】2014年4月18日エベレスト史上最悪の遭難事故発生。
【エベレスト登山】商業登山・公募隊に潜む危険性。
【エベレスト登山】図解+写真でエベレスト南東稜登山。その1
(外部ウィキペディア)1996年のエベレスト大量遭難
(外部ウィキペディア)ロブ・ホール
(外部)エベレスト3D公式ページ

 
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