【エベレスト登山】エベレスト南西壁のリアル写真

2016年3月12日エベレスト南西壁を冬季、単独で目指す男の話邦画「神々の山嶺」が公開された。

そこで取り上げられるエベレスト南西壁を今回は写真と動画で紹介したい。

エベレストの南西壁とは

この映画の中ではエベレストを目指す男性が出てくるが、その彼が目指すのがエベレストの南西壁ルートである。

エベレストを登るには複数のルート(登り道)が存在している。

特に一般的なのがネパール側からの南東稜ルート、中国側(チベット側)からの北稜ルート。

この二つのルートは難易度が低く、登頂率が高いために山頂を目指す多くの登山者が利用する。

しかし「神々の山嶺」の主人公が目指すのはこのどちらでもない南西壁と呼ばれるルート。

文字通り南西に存在する岩壁を登るルートである。

【写真】エベレスト南西壁。
【写真】エベレスト南西壁。

現実の世界では難易度が高いためにここを登る人は近年皆無である。

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図解・エベレストノーマルルート

通常ルートと異なるのは

エベレスト南西壁ルートと言ってもベースキャンプからすべてのルート、道が異なるわけではない。

原作の「神々の山嶺」にも記載されいているように、南東稜のルートと一部同じである。

具体的には

標高5300mのベースキャンプは一緒である。

ベースキャンプの上部にある、エベレスト難所のアイスフォールの通過、そしてアイスフォールを抜けた上部にあるウェスタンクームを進むところまでは完全に南東稜ルートと一緒。

違うのは標高6300m以降からである。

登頂率の高い南東稜ルートはここからローツェと呼ばれる山の斜面を登るのに対して、南西壁ルートは文字通り南西壁を登り始めることになる。

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ウェスタンクーム

冬季・単独がさらに登頂を難しくする

映画の主人公が南西壁ルートを登るのは通常の登山期から外れた冬期。エベレストの登山は通常4月5月、9月10月である。

それは雪が少なく天候が安定していて、登りやすいからである。

冬季は気温も低く、雪も多いため登山者がエベレストを目指すことは稀である。

また主人公はたった一人でこの南西壁に挑むのだ。これも登山の難易度をさらに高くする。

近年のエベレスト登山は商業登山と呼ばれる、グループや隊で協力し合って登るスタイルが主流である。

ところがこの主人公は一切誰の手も借りず、他の人が工作したルートを使わずに登る、完全な単独登頂を目指す。

原作にも書かれていたが、エベレスト南西壁、冬季、単独、無酸素・・もしこれを現実に実現する人間がいたらそれは本当に偉業である。

【写真】南東稜ルートと一緒のウェスタンクーム。左手に南西壁。奥にローツェフェイスが見えている。左中央部の黒い点が登山者。
【写真】南東稜ルートと一緒のウェスタンクーム。左手に南西壁。奥にローツェフェイスが見えている。左中央部の黒い点が登山者。





【写真】キャンプ2から見上げた南西壁。
【写真】キャンプ2から見上げた南西壁。
【写真】キャンプ2と南西壁。
【写真】キャンプ2と南西壁。
【写真】キャンプ2から見上げるエベレスト南西壁。
【写真】キャンプ2から見上げるエベレスト南西壁。
【写真】ウェスタンクームから見る南西壁。
【写真】ウェスタンクームから見る南西壁。左の黒い岸壁が南西壁。右隅の黒点が登山者。

以下の動画はキャンプ2からの眺めです、動画の最初の数秒ですが、南西壁が写っています。

2016年3月12日いよいよ全国公開。
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