今日は国道7号を北上し、山形県を目指そうと思っている。
まずはヒッチハイクしやすいポイント探しから。
見通しがきく車の止まれるスペースがある場所がいい。
しばらく道沿いを歩くとよい場所が見つかった。
次は調べておいた隣町の名前を書いてボードをあげる。
5分待たずに隣町に仕事をしに行くというセイノさんが止まってくれた。今日は幸先がよい。
セイノさんが車内でこの土地の話をしてくれた。やはり住んでいる人は地元のことをよく知っている。セイノさんに下ろしてもらった場所から、やはり5分待たずにカズユキ君が止まってくれる。
「自分の車は今修理中でこれは代車なんです。」とそんな話をしながら、30km近くも乗せてくれた。随分若く見えると思ったら、なんと19歳でした。
カズユキ君に下ろしてもらったところから、またも、数分でトラック運転手の五十嵐さんが「北海道まで行くよ~」と拾ってくれる。
「おお、いきなり北海道に行けてしまう!」
と喜んでしまったが
「やはり、一県、一県北上しなければ」
と思い直し、秋田県に近い山形県内の「道の駅」に下ろしてもらった。
「今日はここに寝よう」
とあたりを散策し始める、すると林の中に何とも野宿向きの休憩所を発見。
もう夕暮れで誰もいないので荷物を運び込む。
日が沈むと林の中だけに暗くなるのが早く、街灯などが一切ないここは真っ暗闇になった。
この暗闇では何もできない。寝る以外は。
ホントに真闇とはこのことを言うのだろう。
目をつぶっていても開いていても変化が無い。
周辺からは秋を思わせる虫たちが一斉に泣き出す「チチチチ・・・」「もう秋だな~」と耳を澄ませながら横になった。
日が暮れば真っ暗闇。
真っ暗闇の中「プーン」という音が近づいて来た。
奴だ。野宿の天敵「蚊」である。
それも一匹ではない、音からして大軍勢だ。(暗闇で見えなかったけど、たぶん大群)。
こちらも警戒網を張る、頭にはフードをかぶり、長袖を着て、寝袋に入る。
しかし奴らも慣れたものフードからわずかに出ている鼻と口周りをねらってやってくる。「げに恐ろしきは本能よのう」などと余裕をこいている場合ではない。
暗闇の中無数の蚊が頭の周りを飛び回っている。
奴らが顔に気配がする度に、暗闇で自分の顔を何度もはたく。
ちょっと静かになり「ウトウト・・・」とすると、また「プーン」という音で目が覚める。
奴らのホームだけきりがない。また攻防が始まる→静かになる→攻防を繰り返す。
全く落ち着いて眠れない!「ほっといてくれ!」と言っても相手は蚊。
結局朝まで一進一退の攻防戦が繰り広げら、もう完全に寝不足のまま夜が明けた。
林の中の小屋を見つけた時は「最高!」と思ったのに、朝になれば「散々な夜だったな」と いう感想。
寝ていた周辺を見ると、適当にひっぱたいた手が当たっていたのか無数の蚊がつぶれていた。
適当でこれだけ当たっていたとは昨夜は一体どれだけの蚊に囲まれていたのだ。