隙間風が容赦無くすり抜けていく小屋。
7時を回ったところで目が覚めた。若者が昨日の残り火に薪をくべて火を大きくしていた。ガスコンロや電気コンロで無く当然の様にたき火だった。

火が大きくなると、それで湯を沸かしてバター茶をもらった。そしてザンパももらう、昨日と違う食べ方で、ザンパをバター茶に混ぜ、それを手でこねるのだ。
私もオッちゃんのマネをして、手でこねてみるが、グチャグチャで手にべっとり。
オッちゃんは手にザンパが着くことなく、キレーにまとめ、ひとかたまりにする。
ちょうど言っては悪いがちょうど釣りの練り餌の様なだった。
私がいい加減うまく練れないのを見かねたオッちゃんが「こっちにかせ」と椀を取り、さっぱりうまく練れなかった私のザンパをいとも簡単に一つに練り上げた。
おっちゃんが練ったザンパを一口食べる。お味の方は「うーむ、麦の粉を練った味!!」そのまんまですね。
それとバター茶を飲みながら食べる。
これがオッちゃん達の日常の朝食らしい。粉とお茶。シンプルだ。何品も並ぶ日本の食卓を思い浮かべると、ずいぶんと質素に感じる。
朝食後オッちゃんにお礼を言い、まだ肌寒い道を走り始める、やはり昨日坂は上りきったらしく、平坦な道が続く。
景色が麗江までとは一転して高い木は無く、地肌の出たはげ山が並んでいる殺風景なものになった。私のイメージしていたチベットに近い。

曇り空の雲がずいぶんと近くに感じた。道は意外に綺麗に舗装されていて走りやすい。
人民自転車に乗った少年が、走りながら話しかけてきた。

着ている服を見るとチベットの少年の様だ。中国国内ではあまり少年が話しかけてくるということはなかった。
やっぱりチベットに近づいている。綺麗な道を進んでいくとやがて町の入り口が見えるた、あれが中旬の街だ。
チベットに備えて蜂蜜、ビスケット、砂糖を買う。

地図上ではここがチベット前の最期の大きな街だ。チベットは街の間隔が何百キロもあるとあり、人もあまりいないだろう。
今までの様にインスタントラーメンを食べることも出来ないだろうから、ここで非常食を買うことにした。
非常食と言っても、オレオ、クッキー、蜂蜜、しめて39元(585円)こっこれが俺の命をつなぐのかと思うとちょっと不安。
明日からはクッキーと蜂蜜の生活が始まるのだ。
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チベットの人々
行け!ママチャリダーズ!
下り坂
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