父来ネパール

テレビ局に連れられてやってきた母に続いて、父が一人でネパールにやって来た。

父の人生で初の一人旅、重い荷物を持ち、英語も話せず、それでもどうにか飛行機を乗り換えネパールまでやって来てくれた。

父の年代になって一人旅は困難だったのだろうが、再会するなり

「お前が元気そうで安心した。」

と笑顔で言う。こんな遠方まで労して会いに来てくれ、かつ私の心配をしてくれるのは両親以外にいない。本当に頭が上がらない。

久しぶりに会う父は相変わらずで、言うことも相変わらずだった。

「お前はお前のやりたいように生きろ、だけど後悔はするな」

という台詞も一緒だ。

「エベレストは俺の夢の夢だったんだ。」

とにやけながら言う父。

高校を卒業して家族を兄弟を養うために「働く」しか選択肢しかなかった親父。趣味は登山だったが高度経済成長期を働き通した父には海外で登山をするということは許されなかった。今でも海外の高峰を登る夢が忘れられないという。

「お前が登ったから俺は満足だ。」

と父の言葉で少しだけ救われた気がした。

こんなどうしようない息子ですが後少し世界を見させてください。本当に感謝しています、ありがとう。

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