病院と孤児院で手品

 2005年の10月8日、パキスタン北部を大きな地震が襲い9万人以上の死者を出した。このニュースはまだ記憶に新しい。

 地震から半年経った今でもパキスタンでは多くの人が被災から立ち直れていない。

カラコルムハイウェイで通過する町々で倒壊したままの家屋やまだテントで生活している人々の姿を見かけた。

テントで生活している人々もまだいるようだ
【写真】テントで生活している人々もまだいるようだ

 縁がありこのパキスタン北部に青年協力隊として手伝いに来ている人に出会う機会があった。

私が手品を路上でしているという話をすると、是非ここで被災している人に見せてあげてくださいと話を受けて、二つ返事でさせていただく。

病院は震災によりダメージが大きく、いつ倒壊するか分からないので病院はその敷地内にテントを張り、テント内で患者を診察していた。診察だけでなく入院している人もいる。

テントの病室を回りながら手品をする
【写真】テントの病室を回りながら手品をする

 子供から年配の方まで多くの人が未だに治療中である。そのベットを回りながら自分の出来る手品を披露して行く、はじめは辛気臭そうに見ている人が、「あれ!」と驚いて笑ってくれる。すこしでも笑顔になってもらえれば嬉しいものだ

病院を回りながら手品をする
【写真】病院を回りながら手品をする

 また少し離れたところにも震災の孤児院があるというでそこでも手品をさせてもらえることになった。

アシアナ孤児院といい、震災での孤児が400人以上も生活している。この孤児の数を見ただけでも震災が如何に大きな被害をもたらしたかが分かる。

 私の手品は路上用で大ステージには向かないので、子供達を男女の組に分けて演じることにした、分けてもらったにもかかわらず人数はまだ多い。

特に男子の反応は面白く、皆始めは席についてみているのだが、次第に熱狂して席を離れテーブルの私のところまで集まってしまい収集がつかなくなった。

男の子と女の子グループに分けて手品をする
【写真】男の子と女の子グループに分けて手品をする

とにかくこんな芸で喜んでもらえるのならお安い御用だ。

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病院を回りながら手品をする
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