ブダペストには「奥山のSUSHI」という寿司屋がある。
その名の通り奥山さんという主人が経営しているお店だ。
近年海外ですし屋を目にすることは多いが、大抵は中国人経営である。日本で修行したシェフがいるならまだしも、見よう見まねで作った寿司もどきを出す店も少なくない。
しかし奥山さんは10代から寿司を握っており、もう40年以上も寿司を握り続けている本格寿司職人なのだ。これだけの本格的な寿司職人がいる寿司屋は世界広しと言えど日本以外では少ないのではないか。
アンダンテはオーナーやヤマケンさんの人望もあり、旅行客以外にも在住の人が時々顔を出しに来る、奥山さんもその一人だった。そして奥山さんがアンダンテにやって来る時にはかならず、何か手土産を持ってきてくれるのだ。
そんなこともあり電話で奥山さんから「今日伺います」と連絡があると、スタッフは皆ソワソワと浮き足立ってしまう。寿司職人の奥山さんの差し入れは大抵握り寿司なのだから。
海外で日本料理屋を訪れたことがある人ならば分かると思うが、中国人による経営の店はともかく、本格的なすし屋は目が飛び出すほど高額なことが多い。
当然、私の様な旅行者は縁のない場所である。しかしここアンダンテに滞在していると、奥山さんがふらっと寿司を差し入れてくれるのだ。
奥山さんの寿司へのこだわりは相当なものだ、そうでなくては本当に日本の寿司と遜色ない味を海外ではだせないだろう。
米、鮮魚のこだわりの仕入れに始り、お客に出すまでのすべてに奥山さんの信念を感じる。これほどまでに手の込んだ寿司を土産として振舞ってくれる奥山さんの人柄も称えるべきものだ。
恐らく奥山さんが握れば一貫数ユーロじゃすまないだろう。それを惜しげもなく振舞ってくれる奥山さんには言葉では表せないほどの感謝の念が湧く。
ありきたりですが本当に有難うございます。
「ありがとう」の語源は「有り難きこと」と言うがまさにこれは有り難きことである。
ブダペストにお越しの際は是非「奥山のSUHSI」へ。
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