アンダンテには様々なお客さんがやってくる。
大抵は2,3日、長くても1週間ほどで皆旅立って行ってしまうのだが、10日以上、中にはひと月以上も滞在してくれるお客さんもいる。
年末年始は特に日本人同士で過ごしたいと思うのか、10日以上の連続宿泊者が数多くいた。
彼らの殆どはバックパッカーと呼ばれる個人旅行者で、予定はあって無いようなもの。
気に入った地があれば自分の気持ち次第で何日も滞在できる。
アンダンテはドミトリー形式の宿なので、料金も他のホテルやゲストハウスに比べれば格安で済む。
そして日本人が多ければ、日本語で思う存分に会話が出来る。一人で旅行していると時々、人恋しいというか日本人が恋しくなることがある。
一人で移動して、宿泊し、ここにやって来た旅行者は自分と同じ様な境遇の旅行者と出会うと話が弾み、つい嬉しくなってしまうものだ。そうして毎日毎日語らっているうちについつい、腰が重くなり、滞在が長引いてしまう。
それ以外にもアンダンテには旅行者に取って魅力的なものが多い。
その一つに「シェア飯」がある。一人で旅行していると、ついつい食事もおろそかになり、サンドイッチやファーストフード的なもので済ませてしまう。ヨーロッパではお米を使った料理はあるにはあるが、白米を炊いておかずというスタイルは殆どない。
これがシェア飯になると参加者が日本人なので日本料理になる。今までパンやパスタばかり食べて辟易していた人に取ってはお米を食べられるだけでも喜びだ。
加えてアンダンテにはインターネットの設備やヤマケンさんやオーナーのコレクションのマンガが沢山あり、日中は漫画喫茶にいるようにダラダラと過ごせてしまう。
日中はインターネットをし、マンガを読んで夜な夜な旅人達と語らうという、毎日が日曜日みたいな生活が送れてしまうのだ。
宿側である私も長期旅行者と接する機会が多くなり、次第に話をするようになる、最近は長期滞在者ばかりで一つ屋根の下で暮らす大きな家族みたいだ。
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