ランブラス通りでは動いたり、音を出す芸が禁じられているせいか、このグエル公園には芸人が多い。
道を歩いているとどこからとなく音楽が聞こえる、それはギターに合わせた歌声だったり、竪琴のやさしい音色だったり、路上の音楽家達が奏でているのだ。
今日も公園の路上で手品をしている、数日前からブルースが聞こえ始めていた。どこかでブルースギターを弾いているのだろう。
「ブルース」と言うと2001年にホームレスの時に新宿で出会ったハルカを思い出す、彼は今どうしているのだろうか。
そのブルースの音源が気になり、自転車を柱にくくりつけて階段を上に進む。
グエル公園はガウディ設計のせいか、道が少々難解だ。ブルースの音が大きくなる方を目指して進む。
石が詰まれた石塔のそばの日陰にギターを持った男性を見つけた。
ボトルネックと呼ばれる、ブルース用の筒を指に付け灰色のギターを抱えている。
「ナイスブルース」と言って硬貨を路上においてあったギターケースの上に置いた。一曲終ったところで、男性に話しかけた。
彼の名はケビン、アメリカのテネシー州出身だが、もうバルセロナに20年住んでいるという。アメリカ人で芸をしている人は珍しい。
灰色のギターは鉄でできていて、ネックの部分だけは木でできていると説明してくれた。
ケビンのギターの腕前は素晴らしく、バーやレストランでも十分に演奏できそうだ。
聞くと、実際それが本職でここで弾いてるは「ただの練習だ」とのこと。
彼はブルースだけでなく、指を駆使したバラード調の曲を奏でてくれた。彼に拍手を送り、私は自分の場所に戻る。
路上の演奏者に出会うのは一つの楽しみだ。
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