雨の中

眠る時は満月に近い月が見えていたのに、夜中雨がテントに当たる音で目が覚めた。

天気予報では明日から雨だが、昨日路上で出会ったオーストリラ人はもう一日晴れが続くと言っていたのに。夜中の雨の音を聞きながら再び眠る。

朝テントの外が明るくなってきたが、雨の音がまだしている、今日は雨らしい。自転車旅行者にとって雨は憂鬱のタネである。

 テントの外に出ると雲は分厚くこれから晴れるような気配はない。しかしここでもう一泊するわけにも行かないのでテント内でスープパスタを作り、荷物をまとめる。

 雨脚が弱まったのを見計らって一気に片付ける。最近テントのフライシートのチャックが怪しい。このテントの保障期間は3年だった気がする、まだ2年しか経っていないけど。

 小雨に濡れながらテントをたたむ。テントは乾かせないのでびしょぬれのままだ。荷物を積んで出発したら昼に近い。

 道に出る、昨日の続きの下り道からだ。小雨が降り続いている中、20km先のLedekの町まで1時間で来た、ちょうど時速20kmだ。

 今日は日暮れ近くになっても雨が止まない。なんて日だ。

 次の町まで14km、現在時刻は4時、道が平らならよいが、上りがあり、自転車を押さなければならないとなるとどのくらい時間がかかるか分からない。地元の人に尋ねると「道は平ら」だというので進むことにする。

 晴れていればどうと言うことのない距離だが雨の中だと長く感じる。雨合羽を着たが水が少しずつしみ込んでくるようだ。それから地元の人は「平ら」と言っていたが次の町のほうが標高が100mくらい高い。

「平らじゃないような」と思っていたらやはり上りになった。そしてなんとか10kmを走ったところでで完全に日が落ちて、暗くなった。

 あと4kmという所で上り坂がきつくなり自転車を押す。こんな時に限って雨脚が強くなる。かなり強い雨だ。2kmくらいをひたすらに雨の中自転車を押した。もう靴の中も完全に水浸しだ。この上りは4km続くのか。

 そう思いながら通り過ぎていく車のライトを目で追う。上り道が終ればテールランプが見えなくなるからだ。それが上り終了の合図になる。

 時々平らになったりしながら結局町の1km手前まで上りが続いた、お陰で全身ずぶぬれ。吐く息が白い、早くテントに入って服を着替えないと風をひきそうだ。

【写真】オーストリア走行の景観はとてもよいが雨が続く。
【写真】オーストリア走行の景観はとてもよいが雨が続く。

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