路上での手品は様々な人との出会いを作ってくれるが、今日の手品中に出会った若者も印象深かった。
彼はずっと脇の方で手品を見ていた、服装が明らかに周りのイタリア人と違っていた。
頭の上に帽子ではなく布を巻いていたので「どこかの旅行者かな?」と思っていた。
ちょうど手品が終ったところで彼がこちらにやって来て
「ハイ!、英語は大丈夫?」
と聞いて来た。
先ほどの予想通り彼はノルウェーからの旅行者だった。しかしその移動手段が変っている、なんと「ヨット」でここまで来たというのだ。
ダイと名乗る22歳の若者は、他4人の若者と中古のヨットを購入して、このシチリアまでやって来て、更にここから大西洋を横断するというのだ。なんとも面白そうな旅じゃないか。
ダイ君の達のヨットはすぐ近くの港に停泊しているという。
「見学させてもらえないか?」
と聞くと
「是非見に来てください」
とのことだ。早速港に向かった。
ダイ君は9mの船と言っていたが想像していたより大きく感じた。
メンバーが次々にヨットから顔を出してくる、ダイ君も含めて全部で5人。フランス人のマヌーエル以外はノルウェイ人。
「どうぞ中へ」
と案内されるままに桟橋を伝ってヨットに乗り込む。
この大きさのヨットに乗り込むのは初めてだ。
甲板から船内に案内してもらった。案内と言っても船内はそれほど広くなく、中央にキッチンとリビングそしてその奥に狭い寝室、また入り口付近にも寝られるスペースがあった。これで5人が眠れるそうだ。
船内に入ると彼らが「何を飲む?」と聞いて来たので「何でも」と返事をしたら、グラスにビールを注いでくれた。
メンバーが次々にテーブルを囲む。5人には少々狭く感じるのではないか。
「5人で狭くない?」
と聞いたら
「うーん」
と言う感じの返事が戻ってきた。やっぱりちょっと狭いのかもしれない。
ダイ君は兄弟で参加していて弟がキャプテンとのことだ。
「なぜ弟がキャプテンなの?」
と尋ねると
「キャプテンはノルウェイで5日間の講習を受けたからさ」
と返事が返ってきた
「えっ、5日だけ?」
と聞き返したが
「そう5日で十分だよ、後は操作して覚えたよ」
と言う。
「げげっ、そんなんで大丈夫か?」
と思ったが、実際にここまで来ているから大丈夫なのだろう。
ひとしきり2時間ほど色々な話をした。
ヨットの旅行もなかなか面白そうじゃないか。ダイ君達に「ボンボヤージ(よい旅行を!)」と言って彼らのヨットを後にした。
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