空き家

昨日の夜は何とか雨が止んでくれたので、テントを張れる所を見つけられた。

やれやれである。夜中に何度か激しい雨が降ってその度に目が覚めた。昨日雨でグッチョリに濡れた靴に足を入れると、目が覚める、冷たいから。コーヒーを入れてから、スープパスタを作って食べた。

 再び雨が降ってきたのでテントの中で待機、雨が止み次第テントをたたみ、荷物をまとめたところでまた激しい雨が降ってきた。

 近くの小屋の軒下へ避難。

 しかし長い雨である、することもないので雨を見つめる。やっと雨が上がり、荷物を付けて出発したら12時15分になっていた。最近は雨に足を止められることが多い、6月7月は雨なんて想像も出来ないほど晴れが続くのに。

 走り出したら道は平らで下りが多くて進みが速い、スイスイと進んだ。

 しかし町は休みの様に閉まっているお店が多い。再び町に入った、ここのスーパーも閉まっていて「もしかして・・・」。

奇跡的に開いていた店の主人に聞くと「今日は祭日」との話。昨日の水曜日も休みで、今日も休み、イタリアは随分と休みの多い国だ。

しかし何とか食料を確保しないと食べるものがない。町の中心に行くが、お店はほぼ閉まっていて何も買うことが出来なかった。

道は平らが多くて進みは速いが、再び雨が降り始めた、丁度着いた町のバス停で雨宿りをする、しかし雨が弱まらない、弱まってもまた強くなるの繰り返し。

空を見上げると雲の流れは速いけど雲に切れ間がない。

 雨が弱まった隙に出発したが、再び降り始めた。ちょうど入れる空き家があったので、そこに入り雨宿りする。もう5時だ、今日は殆ど走れていない。ガスコンロを付けて靴を乾かす。温かい。

 そうしていると、一台の赤い車が空き家の前にやって来て止まった。ここの持ち主か?と思い降りて来たおじさんに話しかける。

「自転車で旅行していて、ここで少し休憩しているけど大丈夫?」

「だめだ!さっさと出て行け!」といわれると大変だ。しかしおじさんは

「ああ、全然問題ないよ、なんなら寝ていけばいいよ」

との返事。

「おお、それはありがたい」

と今日の宿はこの空き家に決まった。

雨が降ったり止んだりなので屋根があって壁があるだけでだいぶありがたい。食料は結局買えなかったので、残っていた食料を引っ張り出して腹に入れる。

【写真】雨の日の空き家はありがたい。
【写真】雨の日の空き家はありがたい。

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