ペスキエラに滞在しながら週末はベローナの街に手品に向かう。
世界遺産にも登録されているベローナの街は観光客が多く、路上で芸をするにはとてもよい環境だ。
芸をするといっても、四六時中やっているわけではなく、人が出歩く時間以外は街をうろついている。
午前中、人が少ない時間に広場の近くを通ると大きな荷台を引いた自転車が視界に入った。
「自転車旅行者」だとすぐに分かった、自転車の後部には大きなリヤカーが付いていてそこに犬が2匹乗っていた。
毛並みの良いシベリアンハスキーだ。その後ろに黄色い看板が取り付けられていて赤い文字で”Randolph Westphal””5th World Tour”と書かれていた。迷うことなく彼に話しかけた。
大抵の自転車乗りはフレンドリーで話しかけると、よく喋ってくれる。ランドロフさんはドイツ出身、23年間自転車旅行をしていて、これからイタリア南部に向かい、それからシベリアに向かうという。
「冬に?」と尋ねると「ノープロブレム、スパイクタイヤもあるし、暖かい寝袋もある、寒けりゃ彼らを抱いて寝るよ」と荷台に乗っている犬を指差した。雪の中の走行は寒さはもちろん、スリップなど危険が事が多い、しかしこの時期にシベリアとは自ら過酷な地に向かうタイプだと思う。
犬を連れているチャリダーも珍しい、写真を一枚取らせてもらい、「Have good jouerny!」と言って見送った。
また歩行者専用道を自転車を降り、歩いていると、反対側から、荷物を積んだ自転車を押しながら歩いてくる人がいる。
自転車には前後車輪の側面にバッグが付いている、自転車旅行者のスタイルだ。ちょうどすれ違いになったので、また話すことになった。
今度の彼はフランス人でなんと日本から自転車で母国フランスに戻る途中ということだった。彼もとても気さくで、ここまで来るのに2年3ヶ月掛かかり、12月までにパリに到着しなければならないと旅行程を説明してくれた。
彼は「ニコ」と言った、私が通過してきた国々と共通の国が多かったので、話題が多く、時間を忘れて話し込んでしまった。
自転車旅行者は気さくで話しやすい人が多い、自転車を漕いでいる時間は常に自分としか対話が出来ないから、その分人恋しくなるのだ。
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