マスク

11日から始まったベネチアのカーニバルも今日で4日目。

最初の2日間は天候に恵まれなかったけれど、昨日からは気温が上がり、日中ならばティシャツと長袖のシャツでも動けば汗をかく程に暖かかった。

カーニバルの中は何が面白いかと言うと、コスチュームで着飾った人を街中の至るところで見かけることだ。アニメのフィエスタならばアニメのキャラクターに扮したコスプレを見かけるだろうが、ベネチアは中世の豪華なドレスをまとった人が多い。これがベネチアの古い町並みよく似合う。

それ以外にも沢山の種類のものがある、しかし基本的に「おおっ」と驚くものが多く、「あはは」と笑える様な冗談っぽい仮装はいない。

それから殆どの人が「マスク」をしてして素顔は分からない。衣装だけで顔が出ていると人間っぽさが感じられるのだけど、マスクをして顔を覆ってしまうと、一気に人間じゃない得体の知れないものに見えてくる。だからマスクをすると不思議なモノに見え、整った表情の無い顔は神秘的にすら見える。

時々マスクの奥にある人間の瞳がチラリと見えると一瞬「ギョ」となる、顔の全体像が分からず、瞳だけ見えるのは少し不気味。

綺麗なドレスをまとった、中世の貴婦人風の大きなスカートをはいた2人組みの横を通りかかった。婦人なのだから婦人が仮装しているのだと疑わないのだけど、聞こえてきたのは男性同士の低い声の会話。「げっ」2人とも男か、と振り返る、見た目は100%女性だが、明らかに中身は男性だ。

マスクは人間的なものを覆い隠し、神秘的にも見えるが、性別も覆い隠してしまうとは。綺麗なドレスを纏った女装の中身が女装好きの男性かもしれないと思うと、うーん、微妙だ。

【写真】一見女性に見えるがマスクの中の性別は不明。
【写真】一見女性に見えるがマスクの中の性別は不明。

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