バックパッカー

アジアではバックパッカーと呼ばれる、大きなザックを背負った旅行者によく遭遇したが、ヨーロッパに入ってからは殆どと言っていいほど出会うことが無い。

日本人には出会うのだけど、在住者だったり、短期のスーツケースでの旅行者ばかりだった。

バックパッカーとスーツケースの旅行者と何が違うのか?と言われるとハッキリとした境界などは無いのだけど、スーツケースの旅行者は整備された観光地巡りが主でホテルに滞在というイメージに対して、バックパッカーは砂とホコリにまみれて辺境に地に行き、安宿を泊まり歩くといったところだろうか。

先日、約8ヶ月ぶりに日本人のバックパッカーに出会った。

出会った方法はインターネット。彼がホームページを通じて連絡をしてくれたのだ、「ベネチアにいるのなら会いませんか?」と。連絡がスムーズに取れて、手品をしているところへ日本人の若者が一人現れたので、「彼かな?」とすぐに分かった。向こうからすれば、路上で手品をしているアジア人は他にいないからすぐに分かっただろうと思う。

メールの文章から想像すると20代後半くらいの人かと思ったが、以外にも学生だった。学生なのに見ず知らずの30代後半のオヤジにメールをくれるとは驚いた、なかなか出来ることじゃないと思う。

彼はドア君と言って、卒業旅行も兼ねてバックパックでヨーロッパを回っているとのことだった。

なんでドア君が印象に残っているかと言うとバックパッカーだからだ、最近は卒業旅行と称して旅行をしている学生さんにも何人か会ったが、イタリア10日間の旅行とか、ローマとフィレンツェとベネチアを見て帰るという話ばかりで、「うわっ、そこへどうして行ったの?」という疑問を抱くような旅行者はいなかった。

対してドア君のルートはスペインの南部の秘境を回り、ピレネー山脈にある小国アンドラ公国を訪れて、ひたすら陸路でベネチアまで来たというのだ。更にここからはやはり辺鄙なところにあるサンマリノ共和国を訪れて、船に乗ってギリシャに渡るという、なかなか聞かないルートだ。

特にスペインでは地元の人しか知らない様な、断崖絶壁に作られた道をロッククライミングの装備をして見学してきたという、写真を見せてもらったが、足を踏み外したら命がなくなるような細い岩場の道で、道と言うよりはロッククライミングを横に進んで行くようなところだった。さすが辺境を目指すバックパッカーである。(ドア君のブログ西洋放浪期

ドア君と話をしていて、久しぶりにアジアで出会ってきたバックパッカー達のことを思い出した。

「そうだ彼らは好奇心と冒険心が共存していたのだ!」と熱く思い出したが、しばらくして冷静に考えたらただ単に変わり者が多かっただけかもしれない。

【写真】カーニバル中のマスク仮装者
【写真】カーニバル中のマスク仮装者

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