ジェラートタイム

夏の海際、路上が賑わうのはイタリアの場合は夜の9時以降になっている。

 なのでその時間に合わせて路上に出かけている。

 7月の初めなどは9時半から10時頃まで明るかったのだが、最近は日が短くなり8時半には暗くなっている。それでも人が歩き始めるのは相変わらず9時以降だ。

 海沿いの街の日中はガランとして誰もいない。理由は単純明快で皆がビーチに行ってしまうからだ。だからこの時間に路上にでたところで足を止める人はいない。

 日中ビーチで過ごした人達が海から引き上げてくるのが5~7時、一度ホテルなどの宿泊先に戻り、服を着替えて街に繰り出してくる。しかしこの時間は皆お腹が減っていてレストランを探しているので芸に足を止める人は少ない。8時~10時頃まではレストランが大いに賑わい、人気のある店では並んで待つ人が出る。日本に比べると少し遅めの夕食の時間だ。

 そして夕食が終った人達が街を歩き始めるのが9時頃から。この時間、人々はお腹も満たされて、足取りゆっくりで街を歩き回る。お店の方もそれを承知で日中の暑い時間は休憩していて、8時頃から店を開けて11時頃まで営業している。この時間に歩く人は非常に芸に足を止めやすい。芸人はもちろん稼ぎ時なので一斉にこの時間に町に現れる。

 この食後の街行く時間を私は「ジェラートタイム」と勝手に呼んでいる。ジェラートの様に甘い時間だからではなく、食事を済ませた人が手に手にジェラートを持って街を歩き始めるからだ。

 イタリアでは老若男女問わずに食後にジェラートを食べる習慣があるようで、ジェラートを持った人が増えたら、芸をするタイミングだ。

【写真】食後のジェラート店はもちろん大繁盛。
【写真】食後のジェラート店はもちろん大繁盛。

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