雪のベネチア 前編

 今年のベネチアカーニバルのメインは2月2日から12日までの11日間。

 せっかく出稼ぎにわざわざクロアチアからやって来たのだからもちろん毎日路上に出向きたいところ。

 ところが初日2月2日土曜日は雨。それもシトシトなどと言うかわいいものではなく。ゴォーという強い雨が一日中降り注いだ。

「なんだ初日から、貴重な土曜日だというのに・・」

と肩を落とす、いつものことだが天候には逆らえない。さすがにこの雨の中衣装を着た人が歩くとは思えなかったが、その通りカーニバルのプログラムはすべて翌日に延期された。

 その翌日からは雨が止み暖かい日が続いた。暖かいと言っても2月なので日中の気温が10度前後にしかならない。しばらく好天が続いたが、最終日直前の10日目まさかの雪に見舞われた。

【写真】カーニバル開催中まさかの雪。写真はサンマルコ広場。
【写真】カーニバル開催中まさかの雪。写真はサンマルコ広場。
 元来ベネチアは海に面していているので内陸部ほど冷え込まず雪は殆ど降らないらしいのだが、今年はついていないことにカーニバル中に降雪。

 なんてことだ最終日直前の貴重な一日なのに!

 しかし朝降り始めた雪は昼頃には止むだろうと踏んでベネチアに出発これがまた大外れ。午後になり雪は止むどころか勢いを更に増し、辺りを真っ白に染めていく。

 こんな時は葛藤が起こる。今後雪が止み人々が路上にあふれ出す可能性とこのまま雪が降り続ける可能性のどちらを選ぶかだ。

 止むと踏んで留まり雪が降り続けるとただの待ちぼうけしかも寒い、また降り続けると思いキャンプ場に戻ると止むというパターン。いずれも予想が外れるとどうにも手痛い。ここはひとつ様子を見るために日の入りまでベネチアで時間をつぶすことにした。

 こんな日はどこのカフェも混んでいて、マクドナルドなどもう人が入りきれないほどの混雑振りだった。

 雪が降る中少しでも芸の出来そうなアーケードや軒下がないかウロウロとしたがよい場所は見つからない。

 加えて雪は一向に弱くなる気配がない。こりゃ今日はもうだめだとバス停があるローマ広場へトボトボと戻った。そしてローマ広場について信じられない光景を目にしたのだ。

バス運休。

ってホントかよ!確かに朝から雪は降っているけど全然降り積もってないじゃないか。

 場所によっては10cmくらいは積もったかもしれないけど道路に雪はあまりない、これでバスが止まっちゃうのか?

どれだけここの人は雪に慣れてないんだ!

などと憤慨してみたもののこりゃまずい、滞在しているキャンプ場は少し辺鄙なところにあるのでバス以外では向かえない。

徒歩か?と思ったがこの雪の中10数キロ、装備も無しに歩くのは無謀だ。さてどうするか。続く

【写真】結局この日は雪が止まず。リアルト橋からの雪のベネチア
【写真】結局この日は雪が止まず。リアルト橋からの雪のベネチア

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