イタリア一周・完

 冒頭からいいわけがましいのですが、当初イタリアを一周する気など全くなかったのです。

 自転車旅行者が得意とするのは縦断とか横断ですが、部分部分を走っているうちに、これは一周しなければと思うようになりました。

 分かりやすく日本で例えると日本海側を走っていて、九州まで行き、今度は太平洋側を走っていたら、四国や北海道も行きたくなってしまった的な感じでしょうか。全然分かりやすくないですね。

 特に一周に意味はありません、あえて言えばあれです、自己満足です。

 というわけで越冬のために滞在していたローマ。すでに越冬というより、夏にさしかかってしまった勢いでしたが、重い腰と、重い荷物を持ちあげて、前回走行を中断したペスカーラへと荷物と自転車を電車に乗せて戻ります。

 これは余談ですがイタリアの電車は自転車を分解することなく乗せられてしまうのが嬉しいです。日本の電車に自転車を乗せていたら注目の的というか、その前に改札を通過できないと思いますが。

 イタリアにはなぜか改札というものがありません。それ故時々無賃乗車の人が車掌につかまっていたりします。

そして高額な罰金を取られるという、だったら改札を設置して未然に無賃乗車を防いだ方が効率がよいのじゃないかと考えますが、イタリアにはイタリアのやり方があるのでしょう。ローマにいるだけに郷にいりては郷に従えです。

 イタリアは恐らく皆が「自転車を電車に乗せてよいもの」という認識があるので、自転車をホームに持ち込んでも問題はなく、注目もされません。また他に自転車を乗せている人もよく見かけます。鈍行に限りです。

 話が思い切りそれてしまいましたが 

 ローマからの乗った電車の終点ペスカーラ。ここから少し北の街アンコーナまでが未走行地区なのでここを走行してアンコーナに達すると無事に自己満足イタリア一周が完了します。

 ペスカーラに到着すると、早速北を目指します。アンコーナまでおよそ150km、通常の自転車旅行者ならばがんばれば1日で走れる距離です。ママチャリですと二日です。気合を入れて全力疾走すれば1日でいけるかもしれませんが、もう歳なので無理はしません。

 私の場合久しぶりの荷物搭載。荷を積みながら「大荷物を積み自転車で旅行する人は少しおかしんじゃないか」と思います。電車ならば僅か3時間の距離。そこを自転車で体力を使い汗まみれになり二日かけて走ります。なんの意味があるのでしょうか。

 そう考えると、飛行機で12時間の距離を自転車で数年かけて移動するってなんなんでしょうか。という疑問になるので、つべこべ言わず、考えずにペダルを踏み始めます。

 ペスカーラの街は海沿いの整備されたサイクリングロードがあって気持ちよく快適です。

すると「やっぱり自転車旅行はいいなぁ」と。

 右手海とパラソルが並ぶビーチを眺めながら風を切り進む。至福の時です。
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 しかし炎天下ですぐに汗まみれ、そして喉はカラカラになり、2時間後にはまた「なんでこんなことしてるんだけっけ?」と疑問を抱くようになります。しかしその頃には既に後に引き返せない距離まで進んでいるので致し方なく前方に進みます。

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 時々ハッと息を呑むような景色を目の前で見られるのが自転車旅行のよいところかもしれません。

 そんなことを繰り返していると日が傾き始め、今日はどこで寝ようかと野宿できそうな場所を物色し始めたところで一日の走行が終了します。

 20150725map
 一応イタリアでの走行跡を地図にしてみました。こう見ると「もう一周も何も分からない」という感想しか出てきません。ま・さ・に自己満足。

 イタリア一周は完了しましたが、イタリア周遊編はまだ続きます。

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