ドバイ トラベラーズフェスティバル その1

すべては怪しいメールから

 一通の怪しいメールから始まった、ドバイトラベラーズフェスティバルへの招待を受けることにした。

 何か騙されて課金されるような話はないと思う。なぜなら招待された時点で「出発時の所持金160円」と主張しておいたので、まさかこちらからお金が取れるとは思っていまい。

 それから開催地はドバイ、アラブ首長国連邦である。今ノりにノっている?お金持ち国家ではないか。

ひっ、飛行機!?

 また航空チケット代、滞在費もあちらが持ってくれるというので「それでは」と飛行機に乗ることにした。

 ちなみに言い訳がましいが、10年以上前から人力移動を信条としているのだけど、今回の場合は先に進むわけではないので利用するとした。イタリアのミラノからドバイに発ち、イタリアのミラノに戻ってくるという寸法である。

 飛行機が14年ぶりかというとそうでもない、実はこのドバイトラベラーズフェスティバルに招待される2週間ほど前に、こちらも不思議な縁あって、イタリアの南部に招待されていました。その話は後ほど。

 機内サービスが評判よいというエミレーツ航空でミラノ、マルペンサ航空からドバイまで7時間。各座席に画面がついていることに感動して映画を3本ほどみたら気持ち悪くる。

 しかし飛行機は早い、自転車の何十倍という速さのだろうか、イランの上空を飛んでいると、自転車で駆け抜けた乾燥した大地を思いだした。きりがないほどの直線道路、灼熱の中ヘロヘロになりながら自転車こいだなぁ。

 飛行機は揺れることなく無事にドバイの空港へ。こちらは夜。そして暑い。ミラノの気温は4度前後だったのにこちらはいきなり18度くらい。

【写真】エミレーツでドバイへ。
【写真】エミレーツでドバイへ。

無事にドバイに到着

 空港が大きくて迷う。暑くて額から汗が流れ落ちる。

 空港についてドバイは移民が多いと感じる。それから英語がやたらに通じる。ほぼ100%じゃないだろうか。ここに来てイタリアの英語の通じなさを逆に感しる。

 空港の案内も移民と思われる方がしており、指示も英語で出してくれるので分かりやすい。それなのに迷う。同じところを行ったり来たりしてしまった。

 無事に入国をして荷物を受取る。入国管理の人だけはアラブ首長国連邦の人らしい、布と輪を頭にのせたイメージ通りのアラブ人の格好をしていた。

 コンベアを流れてきた荷物を受けとる、上着を脱ぎ出口に向かう。

 ゲートを出ると、うわっ、と思うほど多くの人が待ち構えていた。皆それぞれ誰かを出迎えているのだ。

 ホテルの人はプレートを持っていると言ったのでプレートを持った人を慎重に一人一人見ていくが結局名前が見つからずに出口まで来てしまった。

「おかしいなぁ」

と再び戻りながら名前を見ていくと、連絡のあったホテルの名前プレートを持った人がいた。

 挨拶をすると、名前を聞かれたので、答える。彼はリストの中から名前を探し出すとチェックをつけた。そして「少々お待ちください」と丁寧な英語で言われた。

 私以外にもこの時間に参加者が到着するのだろうか。

他の参加者と合流

 しばらく待っているとサングラスをかけた、どこの国の人か分かりにくい男性がやってきた。

 彼も参加者のようだ。一緒にエレベーターに乗りながら会話が始まる。

「トラベラーズフェスティバルの参加者?」
 
「そうだよ、君も?」

「私はサンザイ、インドから」という話になり

 それから話題はハッサンについてに変わる。

 「ハッサンから怪しいメールが来てこのフェスティバルに誘われたのだけど」

と私が言うと、サンザイさんも

「私もそうだよ!」

「しかし、このフェスティバルに招待されただけで、何を準備するとか、どんなプログラムが組まれているとか全く知らないんだ」

「まさに!その通りです。ハッサンから招待するとメールが来たきり、後は旅行会社とホテルから連絡があり、その後ハッサンから全く連絡がないのだけど、私達はドバイに呼ばれて一体ここで何があるんでしょうか」

「私もサッパリ分からない」

「恐らく、ドバイのプロモーションのためにここに呼ばれたのじゃないかな、つまり5日間はドバイで観光してくれということでは」

「そうか、だから全くドバイに到着しても連絡も何もないのか」

なんと滞在先は

 ホテルが用意してくれたワゴン車にサンザイさんと乗り込み、20分ほどでホテルに到着した、何と驚くことに五つ星である。いいのかよ、後で滞在費請求されたら払えないよと腰が引ける。

 値段表を見ると一泊230ユーロと記載されている。何これ、私のひと月分の生活費である。

 ホテルのインターネット回線を利用しサンザイさんとハッサンに連絡「無事にホテルにチェックインしました」と連絡するも返信はない。

 サンザイさんと明日から一体何が始まるのだろうか、もしかして何も始まらないないの?という話をしてから各自の部屋にはいる。

 明日からの予定が一切分からないので少々不安ではある。一人では広すぎるベットのすみに寝転んだ。

【写真】高層ビルが立ち並ぶドバイに到着したが。
【写真】高層ビルが立ち並ぶドバイに到着したが。

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