2016年5月17日
前回の「ドバイトラベラーズフェスティバル最終回」からずいぶんと間があいてしまいました。
タイトルに「最終回」と入っていただけにこの日記の最終回か?思われた方もいるでしょうが、一応まだまだ日記は続きます。
更新頻度が少ないですが。
タイトルに「怖い」としておりますが、幽霊の心霊現象の類の怖いではありませんので安心してください。
またそういうのを期待した方、そっちの方面ではありません。
「怖い」といっても明るく怖い系?の話です。
などと「怖い」の説明に3行も使うならさっさと書けという話ですよね。はい。
今日もいつものように買い物に自転車で向かいました。
向かった先は「リドル」です。そうです、ディスカウント系と呼ばれるスーパーで価格が安く、品質がよいというドイツ発ヨーロッパに大展開中、大人気のリドルです。
少し遠いですが、わざわざ向かいます。なんといっても安いですから。
店に入ると、入り口にいる警備員がこちらを「じっ」と見つめてきます。
日本では考えられらないのですが、イタリアではスーパーにも警備員が配置されていることが少なくありません。恐らく万引きや、不審者の入店を防ぐために配置されています。
ローマには様々な人種や国籍の人が住んでいて、もう真昼間から酔っ払っている人もいたり、えっ、この人どうしちゃったの?と思うような人も沢山います。
そのためスーパーの入り口または店内には屈強な警備員が配備され、何か問題があったり、起こしそうな雰囲気の人がいたりするとジッと見つめて威嚇?な感じを出してきます。
「店に入れちゃまずいだろう」という人には入店を拒否します。
話がそれたついでに、
日本ではリックサックや大きめのバッグを持って店内に入っても何も言われませんが、こちらは万引きが多いのか、リックサックや手提げカバンは預けたり、大きなスーパーになるとカバンの口にシールを貼り付けたりします。
これで万引きされないようにしているのでしょう。
なのでカバンを持って入店しようとすると、警備員が
「おっと、カバンはあちらのロッカーに預けるか、置いていってください」
と止められることがあります。ロッカーがあればよいですが、ない場合はフロワーの隅にカバンを置いて入ってくださいと。
かばんが空っぽならばよいですが、貴重品が入っていたりするとそのカバンを置き去りにするのは気がひけます。
仮に貴重品を入れておいたカバンがなくなっても、誰も責任を取ってくれないのは明らか。
例えば本当になくなってしまったとして
「あんたがそこに置けといったんだろう!」
と主張したところで、
「そんな貴重品を置いていったあんたが悪い!」
と責任のなすりつけありになり、結局誰も責任を取らずに貴重品だけなくなるというのが、何か旅行中に悟ったことのひとつであったりします。
「モノは無くなり、壊れる、盗まれるそして誰も責任をとらない」というのが世界の常識かもしれません。
ということは分かっていました。
いやというほど、この14年の旅行中に大事な自転車を2回盗まれていますから。
とこのことは十分に分かっていたはずなのですが。
今回は少しの間だから大丈夫だろうと背中のカバンにiPhoneと現金を少々いれたまま、ホンノ5分だけです、目を離したスキに、、、
などと、そんなことはしません。
貴重品は肌身離さず持っていないとだめです、旅行中は特に。
今回はそちらの話ではありません。話が脱線しまくって、あれ何について書いてましたっけ、そうです、怖い話です。
話を戻します、
入店しようとするとガタイのよい警備員がこちらをジッと見てきます。
こういう時は「うわっ~、怪しまれたかな~」と思うもの。
特に今日はパーカーを着てていて両脇に大きなポケットがついており、それからコインで買い物をしようとコインをたんまり持ってきたのでポケットが不自然に膨らんでいます。
「これ何か万引きしたのかと思われるんじゃね」
と頭によぎりつつも、警備員さんと目を合わせないないように店内に入店します。
そして恐怖の物語が始まるのです。
大体買うものを決めているので売り場に一直線。
そして商品を物色していると、先程入り口にいた警備員が何気なく近くに来ているではないですか。
「うわっ、これは完全に怪しまれてるな」
と何も悪いことはしていないのですが、警備員にピッタリマークされるとこれほど気味の悪いことはわりません。
なぜか落ち着いて商品を見ていられません。
ポケットの中の携帯を出して入れる動作をしただけで万引きと思われそうで怖い。
とにかく怪しまれないように無駄な動作はせず(何も悪いことはしていないのですが)明るい感じ、早足で次のコーナーに向かいます。
警備員から逃れるためです。
警備員もそこまで露骨に追いかけて着ません。
「よかった、もう来ないだろう」
とホッとしていると、また陰の方からこちらを見ています。
完全に目をつけられているとしかいいようがありません。もう逃げも隠れもしませんって逃げる必要はないのですが。
さっさと目的のものをかごに入れてレジに向かいます。
ここでも話がそれますが、こちらのレジは日本だったら考えられないほど行列ができます。
特にイタリアはなぜかレジが4つくらいあって、店員もいるけど、開けずに一つのレジで長蛇の列になっていることが多いですというか、混んでいる時間帯はほぼ行列。
もはやレジに並んでいるので警備員にああこういわれる筋合いもありません、やっと順番が来てレジを済ませます。
よかった、何もなくて、というか何もしてないし。
そして出口の方に向かうと最後の自動ドアを出たところに先程の警備員が!
何だ、最後にポケットとかレシートと商品を確認されるのか、今回はずいぶんと疑われたな~と
自動ドアを出たところで真顔の警備員が予想通りこちらに来ます。ドキドキ。
第一声
「マーゴ?」(原文そのまま)
これですべてを察しました。そっちか!!
「見たんだよ!テレビ!」
と続きます。この一言で警備員が何故こちらをチラリチラリ、近くをウロウロとしてたかすべてのナゾが解けました。
マーゴとはイタリア語で手品師。
なんてことはない、この間出演したオーディションの番組を見たということで彼はとてもマジックが好きなんだそうです。
慌てた様子で「写真を一緒に!」といわれて、セルフィースタイルで写真をかまえます。
警備員が業務をそっちのけで買い物客と写真を撮っているという上司から見たら非常に危ない光景です。
しかも彼は10秒のセルフタイマーをセットしてて、彼とくっついたポーズのまま10秒固まるという事態。なんとも長い10秒でした。
いや~怖かった。
ツイッターなどもしています。@bikeandmagic