ザ・マジックスターまさかの展開

 一回の日記で終わるはずでしたが、書き始めたら長引いている韓国のテレビ番組「ザ・マジックスター」についての日記。今回は1回戦を勝ち抜き、2回戦、そしてまさかの展開という日記になります。

 日本出発時の22年前、2002年には全く想定していなかった展開です。

2回戦はどうなるか

 1回戦はマジシャンの一対一の対戦でしたが、2回戦はどうなるのでしょうか。対戦の直前までどういう2回戦が開催されるのか全く告知されておりません。リアリティーショーなので、2回戦の方法を発表して参加者が驚くところを撮影したいわけですね。本当にリハーサルの前日、本番撮影の2日前までどういった方法で2回戦が行われるか不明でした。

 そしていよいよ2回戦の対戦方法が発表。2回戦は3人のマジシャンが一つのグループになり、順番にパフォーマンスを披露して、1回戦同様に、審査員、観客、そしてマジシャン達からの得票で1位から3位までの順位が決まります。1位は3回戦に進めますが、2位は保留、3位はここで脱落となります。つまり2回戦を勝ち抜くには3人中2位以上にならなければならないということになります。ここで大事なのが誰とグループになるかです、これは1回戦の得票をもとに振り分けられるそうです。

 42人のマジシャンが1回戦で21人になり、2回戦ではこの21人が3人づつ7つのグループに分かれ、対戦することになりますが、自分以外どの二人と対戦するかがとても大事です。さらに1回戦での敗者復活が3人加わり全部で8グループとなりました。優勝候補の人と同じグループに入ってしまった場合はもはや勝つのは難しいでしょう。
 
 対戦のグループ発表が始まります、リアリティショーなのでこの発表の瞬間も撮影されています。最初のグループが発表されます、自分の名前は呼ばれませんでしたが、マジシャン達の間からおおっ、といった声が沸き起こります。2回戦は組み合わせがとくに重要なのです。次々と組み合わせが決まっていきます。優勝候補のユウ・ホジン氏やカナダのドロシー・オーク氏と同じ組になった場合はもはやグループ1位の希望はないでしょう。そうでなくても42人が半分に振り落とされただけですが、もうどこを見てみ勝てそうな相手は見当たりません。

 そしていよいよ自分の名前が呼ばれて、次々とグループの人の名が呼ばれました、キム・ミンヒョン氏とドキムン氏とのグループ。二人とも1回戦ではとても目立っていたのですぐにどのマジシャンかわかりました。とにかく彼らと対戦し2位以上に入るのが3回戦へ進むための条件になります。

リハーサルでもはや

 対戦相手が決まり、その後はリハーサルへと進みます。同じグループの人はリハーサルも同じタイミングで行うので相手がどんなパフォーマンスをするかもわかってしまいます。リハーサルを見て「これは、勝ち進むのは難しそう」というのが最初の感想でした。実際に組み合わせが決まってからのインタビューでも今回の組み合わせは勝ち抜けないでしょうと答えていました。

【写真】エリック・チャンと台湾の大仙人マジシャンと撮影

そして本番、まさかの結果

 2回戦収録本番となります、1番目はキム・ミンヒョン氏です、音楽に合わせて軽快にカードを順番に出していくというマジックです。キム・ミンヒョン氏は1回戦でも音楽に合わせてステージにマジックを繰り広げ、その中にコメディ要素もあり素晴らしかったのです。正直2回戦では彼が勝ち抜けるだろうと思っていましたし、直前インタビューでもそう答えていました。

 彼の演技が終わりドキムン氏の演技です。ドキムン氏も熟練のマジシャンで、彼のカード技術はどうやっているのか全く分かりませんでした。2回戦ではカードは使わずに彼の得意な指揮者を模したマジックパフォーマンスでした。

 そしていよいよ自分の番がやってきました。もはやいつもと同じです。新しいことをこの期に及んで挑むより、簡単でも慣れた技ということで。またできる範囲で韓国語を使いますが、案の定つっかえたりしてイマイチになってしまいました。しかし心配していた最後の目隠しをして指輪のマジックが失敗せずにできたので、自分としては満足でした。

 3人の演技が終了したところで投票が開始されます。ステージに並び、投票が終わるまで待ちます。そして集計が終わり結果が発表。

 何とか2位までと思っていました。審査員の7人のうち4人が私に投票してくれて、審査員表は自分が1位、そして次に観客席投票です。司会者が「イワサキ氏」というので驚きました。しかも89票というかなり良い得票率だったらしいです。予想に反して2回戦はグループ1位抜けとなり、まさかの3回戦に進みます。

【画面】まさかの89票

3回戦の対戦方法発表

 2回戦の7組のグループの対戦が終了し、各グループ1位で抜けた8人と、2位で抜けた8人のうち6人のトータル14人が3回戦に進むことになりました。3回戦の対戦方法は2回戦の終了後すぐに発表されました、対戦方法は「コラボレーション」だそうです。

 簡単に説明がされましたが、3回戦は自分以外に誰かと組んで演じるようです。これまで誰かと組んで演技をしたことはなかったのですが、とにかく3回戦はコラボレーションです。

 かなり試行錯誤してテレビのアドバイスの人と話した結果、22年前に出会ったシムさんとの再会の話をマジックにしてみてはという話になり、22年前には予想もしなかった展開、22年前にソウルでお世話になったシムさんとのコラボレーションマジックとなりました。

 コラボレーションといってもシムさんはマジックを嗜んでいるわけでないので、どうにか簡単なマジックを覚えてもらい、それを一緒に演じるという方向でいきます。シムさんは日本語の通訳もしているので、最初は通訳ということで登場してもらいます。

いよいよ3回戦

 3回戦の勝ち抜けは得点方式です。審査員が0~100点までを演技につけ500点、また観客も加点できます300点。それからゲストマジシャンの4人の200点で合計1000点満点。14人がそれぞれ演技をして得点の多い7人が勝ち抜けとなる方式です。

 とにかく高得点を得ていないと順次得点数が高い人が自分の上位に入ってくるので先行のほうがやや不利といった感があります。しかしいざ出番が発表されると2番目。うーんどうだろうかと思いつつ、すぐに出番が回ってきました。

 22年前にあったシムさんと、当時は思いもよらなかったテレビ出演です。当時からの様子を日本語で私が話し、シムさんがそれを韓国語に翻訳するということで演技が進んでいきます。そして演技の後半で実はこの通訳をしてくれている方が22年前に私を助けてくれたシムさんですというシーンがあり、最後にサプライズでシムさんに手紙を読むという演技で終了します。1回戦、2回戦とコミカルなマジックだったのですが、3回戦では少し感動的な感じのマジックになりました。

 3回戦は日本語で演じています。


 
 最後の部分、サプライズで手紙を韓国語で読んでいるのですが、これがなかなか上手に読めず、今映像を見てももどかしい感じがします。

 審査員が点数をつけて、観客がつけ、ゲストマジシャンが点数をつけてくれます。2番目ですが1番目に演じた人よりも点数が高かったので、現時点では1位となります。しかしまだ12人のマジシャンが残っています。彼らがより高い点数を出すと、私の順位は自動的に下がっていくということになります。

 そして12番目にユウ・ホジン氏が演じたハイスコア、その時点で8位になり3回戦での勝ち抜けはなくなり

【写真】舞台裏でシムさんとお手伝いのマジシャンと撮影

 これにて韓国のテレビ番組出演は終了となりました。

22年ぶりの韓国は

 2002年に山口県の下関から韓国に渡ったのがもう22年も前のこととなります、そして今回22年ぶりに韓国を訪れることになり以前とは違った印象がありました。まずブラジルから韓国に来たのですが、韓国はとても日本に近いということです、地理的にもちろんそうですが、文化的にも似通った点がとても多いと感じました。長く旅行をしていて、違う国を訪れる時は、それまでいた国との比較になるということが多いのですが、今回は日本のちょうど裏側であるブラジルからやってきたのが大きく影響しているわけです。22年前下関から釜山に渡った時は言葉も違い、食するものも違うと感じたのですが、22年色々な国を訪れ、そして韓国を再訪した時には色々な点で日本に似ているなと感じました。また接したマジシャンやテレビのスタッフも本当に親切に暖かく迎えてくれてとても心に残る韓国滞在になりました。

【写真】韓国で多くのマジシャンに出会った

 今回のパフォーマンスで使用した韓国語を忘れずにまたいつの日か韓国でマジックを演じられたらよいなと思いました。

 これにて韓国テレビ出演は終了したので自転車のあるブラジルに戻ります。

 ブラジルへ戻るためのトランジットでイスタンブールで乗り換えがあり、ふと写真を撮ろうとしたところの看板の文字が「FOLLOW THE MAGIC」という文字「マジックについていけ」的な意味なのか?今回の韓国行きはもちろん、これまでの23年の旅行もマジックが導いてくれた部分が大きいなどと思ったのでした。

【写真】イスタンブールでたまたまFOLLOW THE MAGIC看板

今回もオチもなく終了です。

<関連リンク>
マジシャン同士が競い合う韓国テレビ番組「ザ・マジックスター」
韓国のテレビ番組「The Magic Star」に出演
サンパウロからアジア方面へ
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