このところイタリアの治安や犯罪についていくつか記事を書いています。
そして、やはりイタリアを旅行する個人が気を付けなければならないのはスリと置き引きかなと改めて思っています。
イタリア旅行をしていると本当にスリの被害に遭った人が多いので驚きます。
私自身も背中のカバンのチャックを開けられて小銭入れを盗られたことがあります。
今回は聞いた話や経験を通じて、イタリアを旅行中にいかにスリを防ぐか中心に書きます。
よく耳にするスリ被害
イタリア在住の人、旅行者からとにかくスリの話を耳にします。
この間、バスに乗っていて盗られたとか、かばんに手が伸びてきたとか、とにかくスリの話はよく聞きます。
イタリアはなぜスリが多いのか?
これは個人的な見解ですが、
・旅行者が多い
・スリを行う人が多い
・日本人は狙いやすい
などが理由だと思います。
旅行者が多い
イタリアは年間観光客が常に世界の10位以内に入っている観光大国です。旅行者が多いということはそれだけ現地に不慣れな人がやってくるということです。
スリにとって、地元に不慣れ=スキが多いということになります。
例えば、電車の乗車券購入一つにとっても
操作に慣れていれば、自動発券機で簡単に切符を購入できます。しかし初めての操作で、言葉もわらずに「え~と、これかな」と集中しながら一生懸命操作しているのとはスキが全く違います。
慣れている人は、余裕があるので荷物に異変があればすぐに気が付きます、しかし操作に一生懸命集中していしまうと余裕がなく、荷物のことをふと忘れてしまいます。
こういった不慣れな環境ではとにかくスキが生まれやすいので、スリに盗って好都合というわけです。
旅行者が多いということは、それだけターゲットが多いということです。
スリを行う人が多い
そのままの意味でスリが行う人が多いということです。
これは出来心でスリをするというのではなく、スリを生業にしている人が圧倒的に多いということです。
スリをして生計を立てている、プロのスリの数の多さです。
日本ではスリに遭ったという話は稀です。それだけスリをする人が少ないということです。
イタリアに限らずヨーロッパは陸続きになっており、以前から陸伝いに様々な人が流入しています。
中ではイタリアに来たものの、働き口がなく、犯罪を始める人もいるかもしれません。
こういった流れ者の中に犯罪を生業にする人も多いそうです。
日本人は狙いやすい
最後の理由は日本人が狙われやすいということです。
日本は世界有数の安全な国なので、日本にいる間はスリや置き引きに気を付ける必要はありません。財布を落としても、きちんと交番に届けられていることすらある国です。
この感覚で日本人が海外に来るとスリのよいカモになってしまうのです。
先に述べましたが、スリはスキを狙っています。
安全な国から来た人は、自国と同じようにふるまっているだけで、こちらの人からするとスキがあるように見えます。
例えば
日本では肩掛けのカバンを自分の背中側に回してかけても全く問題がありません。しかしイタリアではカバンの口が後ろにある状態というのはスキがある状態です。
日本では普通=イタリアではスキがある というずれが起こります。
もう一つ、日本では男性は財布やスマートフォンをズボンの後ろに入れても問題がありません。
しかしイタリアではズボンの後ろのポケットはやはりスリのターゲットになりやすいポジションになるのです。
そして日本人は老若男女お金を持っていると思われています。
以上の理由の組み合わせで、スリの犯罪に多く遭遇することになります。
スリ側の心境からすると「旅行者」で「スキがあり」「お金を持っている」という日本人は絶好の的になるわけです。
どのようにスリを防ぐか
日本人はスリの格好のターゲットになりやすいのですが、ではどうしたらスリを防げるでしょうか。
まずはなんと言ってもスキを見せないことが大事です。
スキとは
・スリから見て盗みやすい恰好
・スリから見てスキがある
・お金を持っていそう
の3点であるといえます。
スリは常に徘徊していてスリができそうな人、ターゲットを探しています。このターゲットにされると仲間と連携してスリをされます。
つまりはターゲットにされないことが重要です。
スリに「こいつはスキがない」「こいつからスルのは難しそうだ」と思わせることができれば、スリは寄ってきません。
またスキとは別にお金を持っていそうな雰囲気もスリのターゲットになりますので注意してください。
スリも一度に多くの収穫があった方がよいと考えますので、お金を持っている格好も狙われます。回避するためには質素とは言いませんが、過ぎた高級品などを身に着けないようにします。
となります。
スリを防ぐ格好
スリのターゲットにならないようにするという話をしましたが、どういった格好がスリがしにくいのでしょうか。
非常に単純ですが、シンプルでスッキリした服装です。
シンプルであればスリの手が伸びてきた時でも気が付けます。
逆にぼてぼてしてポケットが大きく開いているような服装はスリの手が一瞬ポケットに入っても気が付きません。
あまりゴワゴワしている服、ポケットが体から離れて浮いているコートなどはスリ易いといえます。
内ポケットがあれば便利です。内ポケットからスルの正面から接近しなければならないので難しいといえます。
スリを防ぐカバンのかけ方
スリを防ぐ服装の次は、スリを防ぐカバンの持ち方です。
背中にチャックのあるカバンは格好の標的です。なぜなら背中のチャックを開けても本人は気が付かないからです。
旅行者で背中にチャックがあるリックを背負っていたらスリに目を付けれらるということです。
これを防ぐには
・人混みではカバンを体の前にかける。
そしてカバンの脇ポケットなどに貴重品を入れないように。
貴重品はカバンの奥に入れる。財布を出したりするのが面倒ですが、スられるよりはましです。
カバンの奥底にしまうのが面倒な方はウェストポーチなどもお勧めです。ウェストポーチは便利ですが、ウェストポーチが狙われるので注意が必要です。
よいのはウェストポーチの上に服をかぶせるスタイルです。こうすると簡単にウエストポーチを開けられなくなります。
肩掛けカバンの場合は常に体の正面にカバンが来るようにします。
スリを防ぐ行動
スリを防ぐような服装、かばんの準備をしたら次はスリを防ぐ行動をします。
通常スリグループはターゲットを絞ると、そのターゲットがスキを見せる、スるチャンスが訪れるまでついてきます。
例えば地下鉄の入り口で見かけたら、ずっとホームの方までついてくるという具合です。
ターゲットを見つけた、すぐにぶつかってスるということもあるかもしれませんが、もっと自然を装います。
エスカレーターで前に仲間がのり、ターゲットを挟み、エスカレーターに終点でわざと何かを落としたり、つっかかったりします。すると当然エスカレーターは動いているの後ろ(実行犯)からターゲットが押される形になります、この状態の時はぶつかっても自然です。こういった瞬間にスリが行われます。
もう一つ多いのは、混んでる電車に乗る瞬間、仲間が前でノロノロと乗り込みます、後ろから急いだ風を装って実行犯が押し入ってきます、「なんだ、押すなよ」と言っても「乗れないだろう」と強引に押してきます。この人が接しても不自然ではない瞬間に注意してください。
これらのスリ被害を防ぐために有効なのは「振り返り」と「予想できない動き」です。
・振り返り
地下鉄駅や雑踏などで「誰かが同じようなペースで歩いているな」と感じたら、立ち止まって後ろを振り返るのはとても効果があります。
なぜなら、あなたに合わせて立ち止まったら不自然ですし、スリは通り過ぎるしかありません。この時に通り過ぎた人をよく見ていてください。
何もなければそのまま通り過ぎて行ってしまいますが、スリであれば、少し先の角の見えないところで再びあなたを追跡しようとします。
追い越して先に行ったはずの人がもう一度視界に入ったら要注意です。完全に怪しいのでバールに入ったり、電車を一本遅らせるなどして完全に離れた方がよいでしょう。
・予想外の行動
予想外の行動もスリを防ぐのに効果があります。
これはエスカレーターに乗る直前に後ろの人に順番を譲るといった行為です。なぜならスリはピッタリとマークしているので直前で順番を譲られるとターゲットより前に行ってしまうのでスリができなくなります。
もう一つ、地下鉄に乗りこむ直前で乗り込む車両を変えます。これもスリ対策に大いに役立ちます。なぜならスリグループが待ち構えている車両を直前でかえられてしまうのですから。
少し怪しい人がいるなと感じたら、車両に乗り込む直前で、隣の車両に乗り込んでください。スリは予想外の動きでついてこられません。バスやトラムでも同様の方法が使えます。
・予想外の行動を起こす
こういったスリ警戒しているという行動をすることでスリのターゲットから外れるようにします。
また、お酒を飲んだ状態は気持ちもおおらかになり、人に触れても分からないこともあるので飲みすぎで出歩くのも注意してください。
酔っぱらいを相手に陽気にハグを迫ってスるという手口もあります。
スリを防ぐアイテム
服装、かばん、行動とみてきましたが、これらに加え、スリを防止するアイテムがあります。
有名なのは服の内側に身に着けるタイプのセキュリティバッグです。
財布など厚みのあるものやクレジットカードなど決算に必要なものを出す時にイチイチ服の中に手を突っ込んで中から引っ張り出すのも大変です。
パスポートの様に滅多に出す必要がないい物はこれに入れておけば安心です。
首からかけるタイプもあります、これの方が服の下に身に着けてしまうものよりもだし入れが楽です。
また薄型のウェストポーチでマジックテープとチャックで出し入れするタイプだと、スられにくくなります。
スマートフォンは現代の旅行の必須アイテムなので、頻繁に出し入れしてしかも安全に使うにはストラップを付けるとよいでしょう。
カバンのチャックに取り付けるのは簡単なナンバーロックのものを使用すると鍵を取り出したりする手間がないので便利です。
いかがでしたか、スリを防ぐ6つの防犯策でした。
旅行中に貴重品をスられたりすると、旅行の日程が大きく変更になるだけでなく、旅行が楽しくなくなっていまします。防犯をシッカリして、スリを未然に防いでください。
今回は以上です。
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