ベースキャンプを発つとすぐにクブンーアイスフォールと呼ばれる氷の滝に入る。
氷の滝と言っても滝が凍ったものではなく、エベレストその隣にそびえているローツェやヌプツェに降り積もった雪が氷河になったものが崩れ落ちているものだ。
クンブーアイスフォール
谷で固まった氷河がゆっくりと1000mほどの高低差を崩れ落ちている。
氷河が崩れたものは家ほどの大きなものから、サッカーボール位の小さなものまで様々で、それらが無秩序に折り重なるようにして下に向かっている。
一見、その動きは人間の眼には止まっている様にしか映らないが、ゆっくりと確実に氷河の塊は下方に向かっている。それはエベレスト登山中にアイスフォールのルートが何度と無く変更になることから分かる。
このアイスフォールには無数のクレバスと呼ばれる氷の割れ目が存在している。幅や深さはそれぞれで、大きいものになると幅5~10mはある。深さもそれぞれで底がすぐのものもあれば、見えずに黒い空間しか見えないこともある。
幅が1mに満たないような狭いクレバスは飛び越えて進めるが、それ以上になるとSPCCと呼ばれるルート工作隊がはしごを渡してルートを工作してくれる。幅に合わせてはしご1つのものから最大はしご5つをつなぎ合わせたものがクレバスや高低差のある氷河にかけられる。
はしごはアルミのもので、その上を渡るのだが、足元が見えるので慣れるまではかなり怖い。
またアイゼン(鉄の爪)を着けた登山靴をはいているのでかなり不安定。
慣れるまでと書いたがそうそう慣れるものでなく、はしごの前に来ると緊張のためにいつも口の中につばが溜まった。
氷の崩壊は突然起こる
2014年はこのアイスフォールで雪崩が起き多くのシェルパが犠牲になった。
目の前の氷塊がいつ崩れるかわからない、それは今からひと月後かも5分後かも。
こういった場所の下を通過するのは肝を冷やす。
氷の崩壊は気温が高くなると起こりやすいのでなるべく気温が低いうち、明け方などにこのアイスフォールを通過するのが望ましいとされている。
氷が崩れにうちに、早く、とにかくアイスフォールに滞在する時間を短くするのが命の危険を回避する唯一の方法である。
<関連リンク>
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