「南東稜側からの難易度は?」のページで公募隊で南東稜から登るにはそれほどの技術は必要ないという話をした。

登頂を左右する3つの要素とは
分析するとエベレストを登頂できるかどうかは3つの要素が関係してくる。
その3つとは
1.体力、高度順応などの自分に関係する要素。
2.ルートやフィックスロープの工作など、自分以外の他人の力が関与する要素。
3.氷塊の崩壊、雪崩、天候などの人間の力ではどうにもならない要素。
上記の要素のひとつでも欠けるとエベレストの登頂はできない。
自力
1.の体力に関しては本人が事前に準備できる。登山が始まる前に走りこんだり、山歩きをするなどして体力の増強ははかれる。
高度順応も時間に余裕を持って行えば順応しやすいだろう。
体質的に高所に向かない人には難しいが。
他力
2.は自分以外の力になるので訓練のしようがない。
エベレスト登山は多くの隊が協力し合い高所のルート工作を行う。
公募隊のメンバーであればルート工作を手伝うことはないだろう。
登山のベテラン達がルートを山頂まで工作してくれる。これは自分の実力とは無関係である。
運
3.実はこの要素が最も重要であるといってもよい。
仮に体調も万全、ルートも完成した、さぁいざアタックという時に天候が優れなければ下山を迫られることもある。
3の要素で最も登頂に影響を与えるのは天候である。
現在のところ人類の力では天候の予測はできるが、天候の変更はできない。
天候に恵まれなければそれまでの積み重ねもすべてが水泡と帰す。
エベレスト登山で天候良し悪しが登頂の確立を上げたり下げたりすると言ってもよい。
天候に恵まれた年は登頂者が多く、逆に天候に恵まれない年は登頂者が少ない。
それではエベレスト登山ではその天候とどう向き合うか。2020年現在の技術では天候を操作する装置はない。
よって天候がどう変化していくかを読むのが重要になってくる。
一昔前ならシェルパの頭が大気の状態や、雲の形から天気を予想していたのだろうが、現代は違う。
衛星から送られてくる気圧配置を見て、気流を読んで天候を予報する。
エベレストベースキャンプでも電話や衛星を使った通信が出来るので各隊がそれぞれの情報源から天候を予測する。
数多くの隊が入る春季には様々な天気予報がベースキャンプを入り乱れる。
全隊の予想が一致していれば混乱はないが、予測にずれがでると、どの予報を信じるかで隊の行動日が変わってくる。
100%正確な天気予報は今のところ無いので最終的には文字通り「運を天に任せる」ということになる。
エベレストの登頂率は最終アタックの日が好天に恵まれるか否かで大きく左右される。
3つの要素が揃う必要がある
以上エベレスト登頂の3つの要素を見てきたが、これらが3つ揃って初めてエベレスト登頂の機会が生まれる。
自分の体調が悪くても登頂はできない。
またルートが完成していなくても登頂は難しい。
天候が荒れれば撤退するしかない。
逆に
体調が万全で
ルートも山頂までロープが張られ、
天候に恵まれれば
登頂の機会が訪れるだろう。
今回は以上。
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