バーリに滞在している時に数人にポリニャーノ(POLIGNANO A MARE)に行くのであればお勧めのジェラート店があると聞いた。
地元の人が力強く勧めるので行かないわけにはいなかい。ポリニャーノを通過するので寄ってみた。
店の名前は聞いていたが、それが街のどこに位置するのかサッパリ分からない。ポリニャーノ街は小さいといっても一軒のジェラート屋を探すには広すぎる。
通りすがりの人に店の名を尋ねると、やはり地元でも有名なのかすぐに教えてくれた。再び道順が分からなくなるも、訊ねると皆知っている。
ようやく辿り着いたお店はピンクの背景に白字で”IL SUPER MAGO DEL GELO”と派手な看板の店だった。

古くから続くこじんまりとした店を思い浮かべていたので驚いた。店から流れ出てくる音楽はロックンロールだ。ずいぶんと個性的な装いの店である。
店内に足を踏み入れると、またその違いに驚いた。大抵イタリアのジェラート屋といえば、ガラスのショーケースに各種多種のジェラートが並んでいて、店員が「どれにするね?」とたずねてくるものと相場が決まっている。しかしこの店にはガラスのショーケースなど見当たらない。
困惑していた私に店員がニコヤカに「ジェラート?」と聞いて来たので、頷く。するとカウンターの影に目立たないようにあるテーブルの蓋を開ける。
覗きこむと、するとその中に食管に入ったジェラートの管が6つほどある。「チョコレート?コーヒー?生クリーム?」と聞かれたので「お勧めは?」と英語で言ってみると。
店員さんは任せておけといわんばかりに生クリーム、チョコ、コーヒー味をコーンに詰め込んだ。そして最後に生クリームをアイスの周りにサッと被せた。
つまりチョコやコーヒーの味のアイスの上に生クリームを被せたのである。見た目は白いアイスになった。その一連の動作が軽やかでまるで手品でも見ているようだ。これがマジックといわれるゆえんなのだろうか。
値段は2.1ユーロ(273円)。

このお店はコーヒーも有名だというので一つ、スペシャルコーヒーを頼んでみた。1.7ユーロ(221円)
ガラスの器に注がれたコーヒーからコーヒーの挽きたての香りがする。イタリアのエスプレッソとは違い、真っ黒ではなく、薄い茶色をしていた。ミルクが入っている。
一口飲んで分かった。ブランデーが入っていて、これがコーヒーと程よく混ざっていて飲みやすい。グラスを傾けると底の方にチラリと何かが入っているのが見えた。

飲み終わってよく見ると、それはレモンの皮だった。これを入れることにより香りを広がりを持たせていたようだ。
ジェラート、コーヒーとも文句無く美味しかった。ポリニャーノを訪れる機会があるならばお勧めの名店である。
【住所】
・Piazza Garibaldi,22 Polignano A Mare(BA)
【地図】