近年タレントのエベレスト挑戦になどにより、エベレスト登山がますま注目を浴びている。
このところエベレストの登山隊のほとんどは公募隊と呼ばれる、エベレストに登りたい個人を募ってガイドが引き連れていく隊が主流になっており、公募隊の増加がエベレスト登山者の増加に拍車をかけているいってもよい。
誰もが山頂まで登れるように導く公募隊、一見素晴らしいシステムのように見えるが実は大きな危険が潜んでいる。
今回はその危険性について考えてみた。
公募隊に潜む危険性
まず公募隊で指摘されるべきところは
・登山の技術力が一定でない。
ではないだろうか。
すべての人にその門が開かれているので、実に様々な人が集う。その中には
・登山一筋20年
・週末登山愛好家
などから
・エベレストに一度登ってみたい人
などなどが含まれる。これらの人々が一つの隊となり山頂を目指すので当然、登山経験・知識の差が現れてくる。
ガイドはこれらのバラつきを取りまとめて山頂に導く、平地では何の問題もなかったことが、8000mの高所では死に繋がることもある。
公募隊は登山のベテランばかりの集団ではない。
・体力も一定でない。
登山経験・知識が一定でなければ、もちろん体力も一定でなはい。20代の若者から定年を迎えた人が参加できるのが公募隊。
公募隊では体力差が表面化しやすい。
登山者が集まる登山隊ならばある程度の均一的な体力が期待できるが、公募隊は不ぞろい。
そのため隊のメンバーはそれぞれのペースで移動し、ガイドが全体に目が届かないことも。
こうなると当然、何か不慮の事態が起こったら、すぐに対応できない可能性もある。
・かけているもの(費やしたもの)が大きい。
公募隊に参加する人は、長い登山時間、そして多額のガイド料を支払い隊に参加する。
費やしたものが大きければ大きいほど、人間なかなか諦められないもの、そのために登頂に対する欲が強くなる。
これが何故危険かというと、「引くときに引けない」からである。山では「引く勇気が重要」と言われる。
1996年のエベレスト大量遭難事故も、公募隊のメンバーの登頂に対するあくなき欲が大きな事故をもたらした。
隊の1~2人が登頂する、以前の登山隊に比べて公募隊は全員に登頂チャンスがあるため、これが危険性につながる。
実際の事故
以上指摘したような懸念事項が実際に事故となったのが1996年のエベレスト遭難事故である。
書籍や映画もあるが、これらを見るとまさに、経験、体力の差、引くところで引けない費やしたものの大きさなどが登山にどう影響するかがよくわかる。
まとめ
近年増加し続けているエベレスト公募隊登山。
すべての人にチャンスがあるだけに、登山技術・体力と一定ではない人が集まる。それ故に隊としての統率がとりにくくなる。
また公募隊に所属するのに費やす、期間、料金が大きいのでどうしても登頂に執着してしまう、時としてこれが判断を誤らせ、危険に陥ることも。
どこかで基準を設けたり、規制が必要になるかもしれない。
今回は以上。
<関連リンク>
【エベレスト登山】現代エベレスト登山・公募隊、商業登山とは?
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