近年、大衆化が進むエベレスト登山、そのほとんどは公募隊と呼ばれる山頂までガイドが引率する隊である。
ルートは整備され、固定のロープが張られ、荷物はシェルパ(現地ガイド)が担ぎ上げてくれる。参加者はとにかく自分の体を運ぶだけでよいというもの。
そういった公募隊とは対照的に「単独」と呼ばれる登山方法がある。これは、ベースキャンプから上の一切の登山を自分だけの力で行うという、もちろん、整備されたルートを使用してはいけない。
目次
神々の山嶺
エベレストの単独登山-現実的にはかなり難しいが、これを小説で描いたのが夢枕獏氏の「神々の山嶺(いただき)」
主人公の羽生丈二は日本屈指のクライマー、その羽生が目指したのがエベレストの単独登山。
しかし、それがただの単独ではない。
酸素ボンベをを使わずに登る「無酸素」
難易度の高い8000mに聳え立つ大岩壁ルート「エベレスト南西壁」
さらに最も過酷な季節、「冬季」
にたった一人でエベレストの山頂を目指すというのだ。
羽生はこの冬季単独無酸素登頂を成功させるためにネパールに定住し、現地のガイドとして何度もエベレストに足を運ぶ。
そしていよいよ、その計画を実行する、結果はどうなるか。
というのが主軸になっている。
またこの小説は単にエベレストの登山だけでなく、エベレストの初登頂に関するジョージ・マロリー謎や登山史、さらにエベレスト登山の出発地となるネパールの首都カトマンドゥで日本人カメラマン深町との出会いなども。
また作者が実際にベースキャンプまで足を運んだというだけあり、現地の描写も細い。
エベレスト登山に興味がある人はお勧めの一冊。
小説が苦手という人には、谷口シロー氏によるマンガ版も発売されている。
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