近年有名人のチャレンジや、エベレストを舞台にした映画などの影響でエベレストの登山に興味を持つ人が以前より増えている。
ルートの整備やノウハウが蓄積され、天気予報の精度の上昇などからエベレスト登山は一昔前のような登山家にしか登れない山ではなくなった。
今回は登頂率が最も高いといわれているネパール側からの南東稜登山、いわゆるノーマルルートを図解、写真、動画を踏まえて解説。
南東稜登山は以下の図のような行程、キャンプ設置で行われる。
エベレスト登山はベースキャンプから
ネパール側のエベレスト登山は標高5300m付近にベースキャンプを設置することから始まる。
ベースキャンプとは登山期間中に家のような役割をするキャンプのこと。実際に家を建てるわけにはいかないのでテントを張る。そしてキッチンや、リビング、トイレ、シャワーといった簡易テントも張る。
毎年シーズンになると数多く、色とりどりのテントがベースキャンプに張られる。近年では登山者も増えているので毎年200以上のテントが張られる。
ベースキャンプからキャンプ1へ
ベースキャンプからすぐ上部にはアイスフォールと呼ばれる、氷河の崩落地帯。
ここはエベレストや近隣の山に積もった雪が堆積し崩れ落ち、氷河となり、その氷河が谷を埋め尽くしている。
ルートは登山ガイドによって固定される
上記のような氷河の崩落地帯、アイスフォールには登山ガイドによりルート、上り道が作られる。
それは下記写真のようなはしごだったり、ルート脇に据え付けられたロープ。
キャンプ1からキャンプ2へ
標高およそ5900mのキャンプ1。次はここからおよそ標高6300mのキャンプ2を目指す。
キャンプ1からキャンプ2までは比較的傾斜のゆるい雪原歩きがメイン。ここはウェスタンクーム、西の谷と呼ばれる場所だ。
傾斜はなだらかであるが、時々巨大な氷河の割れ目クレバスがある。やはりここもルートが工作されているので問題はない。
ウェスタンクームの上部におよそ6300mにキャンプ2を設置する。
キャンプ2からキャンプ3へ
キャンプ2からキャンプ3には氷壁が待ち構えています。ローツェ山の正面、ローツェフェイスと呼ばれる氷壁を登ります。
この氷壁も登山ガイドによりロープが固定されるので、それに従って登る。
およそ標高7300mにキャンプ3を設置。キャンプ3は平地ではないので斜面を削った棚にテントを張る。
キャンプ3からキャンプ4最終キャンプを目指す
キャンプ3上部にはイエローバンドと呼ばれる黄色の地層帯が広がる。
イエローバンドを超えて、およそ標高7900mエベレスト南東稜鞍部、サウスコルと呼ばれる平地に最終キャンプであるキャンプ4を設置。
キャンプ4から山頂8848mを目指す
キャンプ4からいよいよ山頂を目指す。
ここから酸素を吸引し、キャンプ4を夜中に出発する。登山スピードの速い人であれば早朝に山頂、遅い人も午前中には山頂に到達しなければならない。
そうしなければ日中にキャンプ4に戻るのが難しいからだ。
山頂の手間に最後の難関が待ち受ける。それがヒラリーステップと呼ばれる岩壁。エベレスト人類初登頂をなした、エドモンド・ヒラリーが切り開いたとされる岩場である。しかし現代は無数のロープが固定されている。
ヒラリーステップを超えると緩やかな傾斜の雪面が山頂まで続いている。
最後に
以上簡単なエベレスト南東稜登山の解説でした。長くなるために、高度順応や詳細については省いております。
さらに詳しく知りたい方、興味ある方は下記の関連リンクをご覧ください。
【エベレスト登山】図解+写真でエベレスト南東稜登山。その1
【エベレスト登山】簡単説明。山登りしない人でも分かるエベレスト登山。
2020年エベレスト春の登山は中止の可能性が高い
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