【エベレスト登山】10分で分かる!ネパール側南東稜登山を図解、写真、動画で解説。

近年有名人のチャレンジや、エベレストを舞台にした映画などの影響でエベレストの登山に興味を持つ人が以前より増えている。

ルートの整備やノウハウが蓄積され、天気予報の精度の上昇などからエベレスト登山は一昔前のような登山家にしか登れない山ではなくなった。
 
 今回は登頂率が最も高いといわれているネパール側からの南東稜登山、いわゆるノーマルルートを図解、写真、動画を踏まえて解説。
南東稜登山は以下の図のような行程、キャンプ設置で行われる。

【図】エベレスト南東稜図
【図】エベレスト南東稜図

エベレスト登山はベースキャンプから

ネパール側のエベレスト登山は標高5300m付近にベースキャンプを設置することから始まる。

【図】エベレストのベースキャンプと周りの山々。
【図】エベレストのベースキャンプと周りの山々。

ベースキャンプとは登山期間中に家のような役割をするキャンプのこと。実際に家を建てるわけにはいかないのでテントを張る。そしてキッチンや、リビング、トイレ、シャワーといった簡易テントも張る。

毎年シーズンになると数多く、色とりどりのテントがベースキャンプに張られる。近年では登山者も増えているので毎年200以上のテントが張られる。

【写真】エベレスト登山の基地となる標高5300mのベースキャンプ。
【写真】エベレスト登山の基地となる標高5300mのベースキャンプ。

ベースキャンプからキャンプ1へ

ベースキャンプからすぐ上部にはアイスフォールと呼ばれる、氷河の崩落地帯。

【図】ベースキャンプからキャンプ1まではアイスフォールと呼ばれる地帯。
【図】ベースキャンプからキャンプ1まではアイスフォールと呼ばれる地帯。

ここはエベレストや近隣の山に積もった雪が堆積し崩れ落ち、氷河となり、その氷河が谷を埋め尽くしている。

【図解】アイスフォール下部のズーム表示。
【図解】アイスフォール下部のズーム表示。
【写真】アイスフォール登攀中。大小様々な氷塊が天然の迷路を作り出している。
【写真】アイスフォール登攀中。大小様々な氷塊が天然の迷路を作り出している。
【写真】アイスフォール上部。上部に行くにしたがって氷塊が大きくなっているのが分かる。
【写真】アイスフォール上部。上部に行くにしたがって氷塊が大きくなっているのが分かる。




ルートは登山ガイドによって固定される

上記のような氷河の崩落地帯、アイスフォールには登山ガイドによりルート、上り道が作られる。

それは下記写真のようなはしごだったり、ルート脇に据え付けられたロープ。

【写真】ルートが工作されていなければエベレスト登山は難しい。
【写真】ルートが工作されていなければエベレスト登山は難しい。
【写真】ルートに沿ってロープが据え付けられている。
【写真】ルートに沿ってロープが据え付けられている。

キャンプ1からキャンプ2へ

標高およそ5900mのキャンプ1。次はここからおよそ標高6300mのキャンプ2を目指す。
キャンプ1からキャンプ2までは比較的傾斜のゆるい雪原歩きがメイン。ここはウェスタンクーム、西の谷と呼ばれる場所だ。

【図解】キャンプ1からウェスタンクームを経てキャンプ2へ。
【図解】キャンプ1からウェスタンクームを経てキャンプ2へ。
【図解】ウェスタンクームを囲む山々
【図解】ウェスタンクームを囲む山々。(クリックで拡大)

傾斜はなだらかであるが、時々巨大な氷河の割れ目クレバスがある。やはりここもルートが工作されているので問題はない。

【写真】巨大クレバスにかかっているはしごを渡る。
【写真】巨大クレバスにかかっているはしごを渡る。
【図解】ウェスタンクーム、キャンプ2手前
【図解】ウェスタンクーム、キャンプ2手前。

ウェスタンクームの上部におよそ6300mにキャンプ2を設置する。

【写真】キャンプ2とローツェ。
【写真】キャンプ2とローツェ。

キャンプ2からキャンプ3へ

キャンプ2からキャンプ3には氷壁が待ち構えています。ローツェ山の正面、ローツェフェイスと呼ばれる氷壁を登ります。

【図解】キャンプ2からキャンプ3へのルート。
【図解】キャンプ2からキャンプ3へのルート。
【図解】ローツェフェイス。
【図解】ローツェフェイス。

この氷壁も登山ガイドによりロープが固定されるので、それに従って登る。

【写真】ローツェフェイスの氷壁。
【写真】ローツェフェイスの氷壁。固定ロープが張られている。
【写真】ローツェフェイスを見上げた様子。
【写真】ローツェフェイスを見上げた様子。

およそ標高7300mにキャンプ3を設置。キャンプ3は平地ではないので斜面を削った棚にテントを張る。

【写真】キャンプ3は雪棚を切り崩して設置。
【写真】キャンプ3は雪棚を切り崩して設置。

キャンプ3からキャンプ4最終キャンプを目指す

キャンプ3上部にはイエローバンドと呼ばれる黄色の地層帯が広がる。

【写真】黄色の地層帯イエローバンド。
【写真】黄色の地層帯イエローバンド。
【写真】イエローバンド。後方の岸壁と比べて黄色を帯びているのがよく分かる。
【写真】イエローバンド。後方の岸壁と比べて黄色を帯びているのがよく分かる。

イエローバンドを超えて、およそ標高7900mエベレスト南東稜鞍部、サウスコルと呼ばれる平地に最終キャンプであるキャンプ4を設置。

【図解】キャンプ3からサウスコルまで。
【図解】キャンプ3からサウスコルまで。
【図解】キャンプ3からキャンプ4へのルート。
【図解】キャンプ3からキャンプ4へのルート。
【写真】サウスコルにキャンプ4を設置。
【写真】サウスコルにキャンプ4を設置。

キャンプ4から山頂8848mを目指す

キャンプ4からいよいよ山頂を目指す。

【写真】エベレストは多くの人を魅了して止まない
【写真】キャンプ4から見えるエベレスト

ここから酸素を吸引し、キャンプ4を夜中に出発する。登山スピードの速い人であれば早朝に山頂、遅い人も午前中には山頂に到達しなければならない。

そうしなければ日中にキャンプ4に戻るのが難しいからだ。

【図解】キャンプ4から山頂までの要所
【図解】キャンプ4から山頂までの要所。
【図解】キャンプ4から山頂まで。
【図解】キャンプ4から山頂まで。

山頂の手間に最後の難関が待ち受ける。それがヒラリーステップと呼ばれる岩壁。エベレスト人類初登頂をなした、エドモンド・ヒラリーが切り開いたとされる岩場である。しかし現代は無数のロープが固定されている。

【写真】標高8760mヒラリーステップの様子。
【写真】標高8760mヒラリーステップ。

ヒラリーステップを超えると緩やかな傾斜の雪面が山頂まで続いている。

【写真】デスゾーン(死の地帯)とは何だろうか。
【写真】標高8000m以上はデスゾーンと呼ばれる。
【写真】標高8848mエベレスト山頂にある旗群。
【写真】標高8848mエベレスト山頂にある旗群。

最後に

以上簡単なエベレスト南東稜登山の解説でした。長くなるために、高度順応や詳細については省いております。
さらに詳しく知りたい方、興味ある方は下記の関連リンクをご覧ください。

【エベレスト登山】図解+写真でエベレスト南東稜登山。その1
【エベレスト登山】簡単説明。山登りしない人でも分かるエベレスト登山。
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